エネルギー源としての原子力発電:実用炉の役割
- 原子力発電と実用炉原子力発電は、ウランなどの原子核が分裂する際に生じる莫大なエネルギーを利用して、熱を作り出し、蒸気を発生させてタービンを回し、電気を発生させる発電方法です。火力発電と同様に蒸気を利用して発電しますが、石炭や石油などの化石燃料を燃やす代わりに原子力の力を使う点が異なります。原子力発電は、発電時に地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出しないため、地球環境への負荷が少ない発電方法として注目されています。原子力発電を行うには、原子核分裂の反応を制御し、安全に熱を取り出すための装置である原子炉が不可欠です。原子炉には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、原子力の研究や新しい技術開発のために作られた原子炉です。大学や研究機関に設置され、実験や調査など様々な用途に利用されています。もう一つは、実際に電力会社が発電を行うために使用する原子炉で、「実用炉」と呼ばれています。実用炉は、大量の電力を安定して供給できるように設計されており、高い安全性が求められます。発電した電気は、送電線を通じて私たちの家庭や工場などに送られています。実用炉は、日本の電力供給において重要な役割を担っており、エネルギー安全保障の観点からも重要な施設です。