体細胞効果

放射線について

体細胞効果:被ばくの影響を考える

- 体細胞効果とは私たち人間を含め、生物の体は、数多くの細胞が集まってできています。その中には、将来子供に受け継がれる遺伝情報を持つ生殖細胞と、それ以外の体細胞が存在します。体細胞は、筋肉、骨、皮膚、内臓など、私たちの体を構成する様々な組織や器官を形成しています。 体細胞効果とは、放射線被ばくによって生じる健康への影響のうち、この体細胞に現れる影響のことを指します。放射線は、細胞内のDNAを傷つける性質を持っています。体細胞のDNAが傷つけられると、細胞が正常に機能しなくなる、あるいは癌化してしまうといった可能性があります。 体細胞への影響は、被ばくした本人だけに現れ、子供には遺伝しません。これは、体細胞のDNAの損傷は、その個体の体内で完結し、次世代に受け継がれることはないためです。 体細胞効果は、被ばくした放射線の量、被ばくの時間、被ばくした体の部位などによって、その影響は様々です。例えば、大量の放射線を短時間に浴びた場合には、吐き気や嘔吐、脱毛、皮膚の炎症といった急性症状が現れることがあります。一方、少量の放射線を長期間にわたって浴び続けた場合には、癌や白血病などのリスクが高まる可能性があります。 体細胞効果は、放射線被ばくによる健康影響を考える上で、重要な要素の一つです。