OSL線量計:光で測る放射線
- OSL線量計とはOSL線量計は、光刺激ルミネッセンス(OSL)という現象を利用して放射線の量を測定する装置です。 特定の種類の物質に放射線を照射すると、物質内の電子はエネルギーを得て、より高いエネルギー状態へと遷移します。 この高いエネルギー状態は不安定なため、電子は時間とともに元の安定した状態に戻ろうとします。しかし、物質によっては、電子が高いエネルギー状態にとどまり続けることがあります。このような物質に光を当てると、蓄えられていたエネルギーが解放され、光として放出されます。これが光刺激ルミネッセンスです。OSL線量計はこの現象を利用し、放出される光の量から、物質が浴びた放射線の量を測定します。 放射線の量が多いほど、物質に蓄えられるエネルギーも多くなり、光も強くなるためです。OSL線量計は、小型軽量で、繰り返し使用できるという利点があります。そのため、医療現場での放射線治療の線量測定や、原子力発電所などの放射線管理、個人線量計など、幅広い分野で利用されています。