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放射線について

がん治療の進化:トモセラピーとは

がんは、現代社会において私たち人類が直面する深刻な病気の一つであり、その治療法の開発と進歩は日進月歩で続いています。数あるがん治療法の中で、放射線治療は手術や薬物療法と並んで、がん治療の三本柱として重要な役割を担っています。 放射線治療は、高エネルギーの放射線をがん病巣に照射することで、がん細胞の遺伝子を破壊し、その増殖能力を奪う治療法です。放射線は正常な細胞にも影響を与える可能性がありますが、がん細胞は正常な細胞に比べて放射線に対する感受性が高いため、正常な細胞への影響を抑えつつ、がん細胞を効果的に攻撃することができます。 放射線治療の大きな利点の一つに、身体への負担が少ないことが挙げられます。外科手術のように身体を切開する必要がなく、治療に伴う痛みや出血もほとんどありません。また、多くの場合、入院の必要がなく、外来通院で治療を受けることができるため、患者さんは日常生活を送りながら治療を継続することができます。これは、患者さんの肉体的、精神的な負担を軽減し、生活の質を維持する上で非常に重要な要素となります。
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見えないものを見る技術:トモグラフィ

私たちは健康診断や怪我をした際に、病院でレントゲン写真を撮ってもらった経験があるのではないでしょうか。レントゲン写真では、骨などの硬い組織が白く映し出され、体の内部の状態をある程度把握することができます。 しかし、レントゲン写真は平面的な画像であるため、奥行きや立体的な構造を把握することが難しいという側面があります。例えば、骨折した場合、骨のどの部分がどのように折れているのか、正確な位置や角度を把握することは容易ではありません。また、体内に腫瘍がある場合でも、その大きさや形、周りの組織との位置関係などを詳しく知ることは困難です。 そこで登場するのが、トモグラフィと呼ばれる技術です。トモグラフィは、身体の周りを回転しながらX線撮影を行い、得られた多数の画像データをコンピューターで処理することで、体の断面図を映し出すことができます。この技術により、従来のレントゲン写真では難しかった、臓器や骨格の立体的な構造、位置関係を詳細に把握することが可能となりました。そのため、骨折の診断や腫瘍の診断、治療方針の決定などに大きく貢献しています。
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進化する放射線治療:原体照射とは

原体照射は、体外から放射線を照射してがん細胞を死滅させる放射線治療の一種です。がん治療において、放射線治療は手術、化学療法と並ぶ重要な役割を担っています。 放射線治療は、高エネルギーの放射線を照射することで、がん細胞のDNAに損傷を与え、その増殖能力を奪う治療法です。しかし、放射線は正常な細胞にも影響を与える可能性があるため、治療の際には、正常な細胞への影響を最小限に抑えつつ、がん細胞に集中的に照射することが重要となります。 原体照射は、このような課題を克服する画期的な治療法として近年注目されています。従来の放射線治療では照射範囲が広範囲に及ぶこともありましたが、原体照射では、高度な画像誘導技術と線量分布の最適化技術を駆使することで、がん細胞に対してピンポイントで高線量の放射線を照射することが可能となりました。これにより、周囲の正常な組織への影響を大幅に軽減しながら、高い治療効果を得ることが期待できます。 原体照射は、早期の肺がん、肝臓がん、前立腺がんなど、様々な種類のがんに適用が可能であり、今後のがん治療においてますます重要な役割を担うと期待されています。
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体内を透視するCT検査

- CT検査とはCT検査とは、「コンピュータ断層撮影」の略称で、体の内部を詳しく調べるための医療画像診断装置の一つです。レントゲン検査と同じようにX線を使用しますが、CT検査では、体の周囲をぐるりと回転する装置からあらゆる方向にX線を照射します。そして、体の各部位を透過する際に変化するX線の量をコンピュータで処理することで、体の断面画像を得ることができます。CT検査で得られる画像は、従来のレントゲン写真よりも鮮明で、臓器や骨などの状態を立体的に把握することができます。そのため、通常のレントゲン検査では発見が難しいがんや腫瘍、血管の病気、骨折などの診断に非常に役立ちます。検査時間は撮影する部位や範囲によって異なりますが、おおむね数分から数十分程度です。検査中は、医師や診療放射線技師の指示に従って、息止めなどの協力が必要となる場合があります。検査に伴う痛みはほとんどありません。CT検査は、病気の早期発見や正確な診断に大きく貢献する、現代医療において欠かせない検査と言えるでしょう。