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放射線について

食品照射の安全性:国際プロジェクトの成果

- 国際機関による共同プロジェクト1970年、人々の生活に欠かせない食の安全と安心を向上させるという共通の目標を掲げ、国際食品照射プロジェクト(IFIP)が設立されました。これは、食糧と農業の分野で国際協力を推進する専門機関である国際連合食糧農業機関(FAO)と、原子力の平和利用を促進する国際原子力機関(IAEA)が共同で立ち上げた、世界規模のプロジェクトです。さらに、このプロジェクトには、国際的な保健医療を専門とする世界保健機関(WHO)も協力しており、食の安全に関する専門知識と経験を共有することで、プロジェクトの推進に貢献しました。 IFIPは、食品照射技術の研究開発と普及を通じて、食中毒の原因となる病原菌の殺滅や、食品の保存期間延長などを目指しました。国際機関が協力することで、より効果的に技術や情報を共有し、開発途上国へも最新の知見を届けることが可能となりました。これは、世界の食料問題の解決に貢献するだけでなく、人々の健康と福祉の向上にも大きく寄与しました。
その他

食の安全を守る国際規格:コーデックス

私たちの食卓には、世界各国から様々な食品が運ばれてきます。新鮮な野菜や果物、加工食品、珍しい調味料など、その種類は多岐に渡ります。しかし、国が違えば、食品に対する考え方や安全基準も異なります。例えば、ある国では当たり前に食べられているものでも、別の国では禁止されている、なんてこともあるかもしれません。 このような違いがあると、食品の輸出入を行う際に、安全性を確認するための検査や手続きが複雑になってしまいます。そこで、世界共通の食品規格が必要となるのです。それが、コーデックス規格です。正式には「コーデックス・アリメンタリウス」と言い、「食品規格」を意味するラテン語に由来します。 19世紀末のオーストリア・ハンガリー帝国でも使用された、歴史ある言葉です。 コーデックス規格は、食品の安全性、品質、表示など、様々な分野における国際的な基準を定めたものです。世界貿易機関(WTO)の協議でも用いられており、国際的な食品取引を円滑に進めるために重要な役割を担っています。この規格があることで、消費者は世界中どこでも、一定水準以上の安全性が保証された食品を手に入れることができるのです。
その他

地球環境を守る監視の目: GEMS

- 地球環境監視システムとは 地球環境監視システム、英語ではGlobal Environment Monitoring System、略してGEMSと呼ばれるこのシステムは、地球全体の環境状態を継続的に監視し、評価する国際的な枠組みです。1974年に国連環境計画(UNEP)や世界保健機関(WHO)など、複数の国連機関によって設立されました。 GEMSの目的は、地球環境の変化とそれが人間や生態系に及ぼす影響を、科学的なデータに基づいて明らかにすることです。そのために、世界中の様々な機関と協力して、大気、水、土壌、生物などの状態に関するデータを収集・分析し、その結果を広く公開しています。 GEMSが扱う環境問題は多岐に渡り、気候変動、大気汚染、水質汚濁、生物多様性の損失など、地球規模での課題を網羅しています。これらの問題に対して、GEMSは正確でタイムリーな情報を提供することで、国際社会による環境問題への対策や政策決定を支援する役割を担っています。 GEMSの活動は、地球環境の現状を把握し、未来の世代に健全な地球を引き継ぐために不可欠です。私たちは、GEMSの活動を通して、地球環境問題の深刻さを改めて認識し、持続可能な社会の実現に向けて積極的に行動していく必要があります。