
医療における透視:体の内部を見る技術
- 透視とは透視とは、体の内部を映し出す検査方法の一つです。レントゲン撮影とよく似ていますが、透視では体の動きをリアルタイムで見ることができる点が大きく異なります。検査にはX線透視装置と呼ばれる機械を使います。この装置は、X線を照射し、それを体の反対側から検出することで、体の内部を画像化します。レントゲン撮影では静止画しか得られませんが、透視では動画として観察することができます。このため、透視検査では、心臓や肺などの臓器の動きや、バリウムなどの造影剤が体の中をどのように流れていくのかを、はっきりと確認することができます。そのため、病気の診断や治療方針の決定に大きく役立ちます。例えば、消化管の検査では、バリウムを飲みながら透視を行うことで、食道や胃、腸などの形や動きを詳しく調べることができます。また、心臓カテーテル検査では、心臓の血管にカテーテルと呼ばれる細い管を入れ、造影剤を注入しながら透視を行うことで、血管の狭窄や閉塞などの状態を診断することができます。このように、透視は、体の内部の状態を詳しく調べることのできる、非常に有用な検査方法と言えます。