相同染色体:遺伝情報を受け継ぐペア
電力を見直したい
先生、「相同染色体」って、原子力発電と何か関係ありますか?
電力の研究家
良い質問だね! 実は「相同染色体」は生物学の用語で、原子力発電とは直接関係がないんだ。遺伝情報に関わるものだよ。
電力を見直したい
そうなんですね! では、なぜ原子力発電の資料にこの言葉が出てきたのでしょうか?
電力の研究家
もしかしたら、放射線が生物に与える影響について書かれた資料で、遺伝子の話が出てきたのかもしれないね。放射線は遺伝子に影響を与える可能性があるから、その文脈で出てきた可能性があるね。
相同染色体とは。
生き物の体を作る設計図である染色体は、父親と母親の両方から受け継ぎます。このうち、形や大きさが同じで、同じ種類の遺伝情報を持つ染色体のペアのことを「相同染色体」といいます。
相同染色体は、まったく同じ遺伝情報を持つ場合と、少しだけ異なる遺伝情報を持つ場合があります。まったく同じ遺伝情報を持つ場合は「完全な相同染色体」、一部だけ異なる遺伝情報を持つ場合は「部分相同染色体」と呼びます。
部分相同染色体は、共通した部分でのみ繋がり、異なる部分はバラバラになります。そのため、端っこだけで繋がった、二股に分かれた特徴的な形を作ることがよくあります。
通常、生き物は父親と母親からそれぞれ1セットの染色体を受け継ぎ、2セットの染色体を持つ「二倍体」です。そのため、二倍体の生き物は、2本の相同染色体を持っています。
一方、染色体を3セット以上持つ「倍数体」の生き物もいます。倍数体の生き物は、3本以上の相同染色体を持つことになります。自然界に存在する倍数体の生き物は、部分相同染色体であることが多く、その一部は「同祖染色体」と呼ばれます。
両親からの贈り物、相同染色体
私たち人間を含む多くの生物は、両親から命の設計図を受け継いでいます。この設計図は、細胞の核の中にしまわれている染色体という糸のようなものに記されています。染色体はDNAという物質でできており、そこには様々な遺伝情報が含まれています。
興味深いことに、この染色体は、形や大きさが全く同じものが2本ずつペアになって存在しています。これを相同染色体と呼びます。私たち人間の場合、全部で46本の染色体を持っていますが、これは両親からそれぞれ23本ずつ受け継いだものであり、2本で1組のペアを形成し、合計23組の相同染色体として存在しています。
父親と母親から受け継いだ相同染色体には、同じ特徴に関わる遺伝情報が同じ場所に記録されています。例えば、目の色を決める遺伝情報を持つ場所が染色体上にあれば、その対になる相同染色体の同じ場所にも目の色に関する遺伝情報があります。ただし、全く同じ遺伝情報が書かれているわけではありません。父親由来の遺伝情報が茶色の目を伝える情報だったとしても、母親由来の遺伝情報は青い目を伝える情報かもしれません。このように、相同染色体は同じ場所に同じ特徴に関する遺伝情報を持っていますが、その内容は少しずつ異なる場合があります。
このように、両親から受け継いだ2つの染色体が対となって存在することで、私たちは両親の両方の特徴を受け継ぐことができるのです。
項目 | 詳細 |
---|---|
染色体 | 細胞の核の中にあり、DNAでできている。遺伝情報を記録している。 |
相同染色体 | 形や大きさが全く同じ染色体のペア。人間の場合、両親から23本ずつ、計46本(23組)の相同染色体を持つ。 |
遺伝情報 | 相同染色体上の同じ場所には、同じ特徴に関する遺伝情報が記録されている。ただし、その内容は父親由来と母親由来で異なる場合があり、それが個性の違いにつながる。 |
遺伝子の並び方
生物の設計図である遺伝子は、染色体上に並んでいます。染色体は、細胞の核の中に存在する糸状の構造体で、遺伝情報を担うDNAが tightly に折りたたまれてできています。人間の場合、通常は2本ずつ対になった46本の染色体を持っています。
この対になった染色体を相同染色体と呼びます。相同染色体は、形や大きさが同じだけでなく、遺伝子の並び方も全く同じです。例えば、目の色を決める遺伝子があるとすると、その遺伝子は必ず相同染色体上の同じ位置に存在します。この遺伝子の位置のことを遺伝子座といいます。
ただし、相同染色体が全く同じ遺伝情報を持っているとは限りません。同じ遺伝子座に存在する遺伝子でも、わずかに異なるバージョンのものがあります。これを対立遺伝子といいます。
例えば、父親から受け継いだ染色体には茶色の目を指定する遺伝子があり、母親から受け継いだ染色体には青い目を指定する遺伝子があるとします。このように、相同染色体上では、同じ遺伝子座に異なる対立遺伝子が存在する場合があるのです。
対立遺伝子の組み合わせによって、例えば目の色のように、実際に現れる体の特徴が決まります。両親から異なる遺伝情報を受け継ぐことで、子供は多様な特徴を持つことができるのです。
用語 | 説明 |
---|---|
染色体 | 細胞の核の中に存在する糸状の構造体。遺伝情報を担うDNAが tightly に折りたたまれてできている。 |
相同染色体 | 形や大きさが同じで、遺伝子の並び方も全く同じ対になった染色体。 |
遺伝子座 | 染色体上における遺伝子の位置。 |
対立遺伝子 | 同じ遺伝子座に存在する、わずかに異なるバージョンの遺伝子。 |
完全相同染色体と部分相同染色体
生物の細胞には、遺伝情報であるDNAを格納した染色体が存在します。染色体は通常、父方由来と母方由来の2本1組で存在し、これらを相同染色体と呼びます。相同染色体には、全く同じ遺伝子配列を持つ完全相同染色体と、一部のみが共通している部分相同染色体の2種類があります。
完全相同染色体は、文字通り両親から受け継いだ染色体が完全に一致している状態です。一方、部分相同染色体は、進化の過程で染色体の一部が入れ替わったり、失われたりすることで生じます。この染色体の構造変化は、生物が環境に適応するために重要な役割を果たしてきたと考えられています。
部分相同染色体は、共通している部分でのみ対合し、残りの部分は分離した状態になります。そのため、細胞分裂の際に顕微鏡で観察すると、端の方だけでつながった独特な形に見えます。この形状は、部分相同染色体を見分ける重要な特徴の一つとなっています。部分相同染色体の存在は、生物の進化や多様性を理解する上で非常に重要な要素です。
染色体の種類 | 特徴 |
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完全相同染色体 | 両親から受け継いだ染色体が完全に一致している。 |
部分相同染色体 | 進化の過程で染色体の一部が入れ替わったり、失われたりして生じる。 共通している部分でのみ対合し、残りの部分は分離した状態になる。 |
倍数体と相同染色体
生物が持つ遺伝情報は、染色体と呼ばれる構造体に収納されています。通常、生物は両親からそれぞれ一組ずつ、計二組の染色体を受け継ぎます。これを二倍体と呼びます。しかし、中には二組以上の染色体を持つ生物も存在し、それらを倍数体と呼びます。例えば、三組の染色体を持つ生物は三倍体と呼ばれます。
倍数体では、同じ形や役割を持つ染色体が複数存在します。これらの染色体を相同染色体と呼びます。二倍体であれば相同染色体は二本ですが、三倍体であれば相同染色体は三本存在します。
倍数体は植物に多く見られ、農業分野で応用されています。種無しスイカや大きな粒のブドウは、三倍体の性質を利用して作られています。三倍体の植物は、減数分裂の際に染色体の分配がうまくいかず、種子ができません。そのため、種無し果実を作ることができます。また、倍数体は細胞や器官が大きくなる傾向があるため、果実のサイズを大きくすることも可能です。
天然の倍数体の場合、相同染色体の一部が部分的にのみ相同な場合があります。このような染色体を部分相同染色体と呼びます。また、進化の過程で遺伝子の重複が起こり、部分的に相同な染色体となったものを同祖染色体と呼びます。倍数体は生物の進化や多様性を理解する上で重要な役割を果たしていると考えられています。
項目 | 説明 |
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染色体 | 遺伝情報が収納されている構造体 |
二倍体 | 両親から一組ずつ、計二組の染色体を持つ生物 |
倍数体 | 二組以上の染色体を持つ生物 |
相同染色体 | 同じ形や役割を持つ染色体 |
三倍体 | 三組の染色体を持つ生物。種無しスイカや大粒ブドウにみられる。 |
部分相同染色体 | 相同染色体の一部が部分的にのみ相同な染色体 |
同祖染色体 | 進化の過程で遺伝子の重複が起こり、部分的に相同な染色体となったもの |
遺伝的多様性の源
私たち生物の姿形や体質は、一人ひとり異なります。これは、親から受け継いだ遺伝情報が異なるためです。
人間の細胞には、遺伝情報が詰まった染色体が46本、2本ずつ対になって存在します。この対になる染色体を相同染色体と呼びます。私たちは、父親と母親からそれぞれ1本ずつ、計2本の相同染色体を受け継ぎます。
相同染色体上には、同じ働きを持つ遺伝子が同じ場所に位置していますが、その遺伝情報の内容は全く同じではありません。例えば、目の色を決める遺伝子を考えてみましょう。父親から受け継いだ染色体には茶色の目を伝える遺伝情報が、母親から受け継いだ染色体には青い目を伝える遺伝情報が含まれているかもしれません。このように、同じ遺伝子座に異なる遺伝情報が存在することを対立遺伝子と呼びます。
両親からそれぞれ異なる対立遺伝子を受け継ぐことで、様々な遺伝子の組み合わせが生まれます。これが、背の高さや顔つき、体質などが異なる個体が生まれる理由です。
さらに、精子や卵子といった生殖細胞が作られる減数分裂の過程では、相同染色体間で一部の遺伝情報が交換されることがあります。これを遺伝子の乗り換えと呼びます。乗り換えが起こる場所や組み合わせは様々なので、遺伝子の乗り換えによっても、さらに多様な遺伝子の組み合わせが生まれます。
このようにして生み出される遺伝子の多様性は、進化の原動力の一つと考えられています。様々な環境変化に適応できる個体が出現することで、種全体の生存率を高めることに繋がっているのです。
用語 | 説明 |
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相同染色体 | 父親と母親からそれぞれ1本ずつ受け継いだ、対になる染色体 |
対立遺伝子 | 同じ遺伝子座に存在する、異なる遺伝情報 |
遺伝子の乗り換え | 減数分裂時に相同染色体間で起こる、遺伝情報の交換 |