体内の調整役:ホルモン

体内の調整役:ホルモン

電力を見直したい

先生、「ホルモン」って原子力発電で出てくる言葉ですよね?どんな意味ですか?

電力の研究家

あれ?「ホルモン」は原子力発電の言葉としては出てこないよ。もしかして、違う言葉を連想しているのかな?

電力を見直したい

あ!そうでした!「ホウ素」と間違えていました!

電力の研究家

なるほどね。「ホウ素」は原子炉の中で核分裂反応を調整するために使われる重要な物質なんだよ。

ホルモンとは。

「ホルモン」という言葉は、原子力発電とは関係なく、体の働きを調整する物質のことを指します。ホルモンは、体の中の特定の場所でつくられ、血液の流れに乗って別の場所に運ばれ、ほんのわずかな量で体の機能を調節する働きをします。ホルモンをつくる主な場所としては、脳の下側にある視床下部や脳下垂体、首の前側にある甲状腺やその近くにある副甲状腺、胃の裏側にある膵臓、腎臓の近くにある副腎、男性と女性の性に関する器官である性腺、妊娠中にできる胎盤などがあります。ホルモンは、その化学的な構造から、大きく3つの種類に分けることができます。1つ目は、たんぱく質やペプチドという種類、2つ目はステロイドという種類、3つ目はアミノ酸誘導体という種類です。

ホルモンとは

ホルモンとは

– ホルモンとは私たちの体には、健康を維持し、生命活動を円滑に行うために、様々な調整機能が備わっています。その調整役の一つを担うのが「ホルモン」と呼ばれる物質です。ホルモンは、体の中にある特定の器官で作られ、血液の流れに乗って別の場所へと移動します。そして、目的地となる器官や組織にたどり着くと、まるで鍵と鍵穴のように特定の細胞に結合し、その細胞の働きを調節する指令を出します。ホルモンの特徴は、ごく微量でも大きな効果を発揮することです。例えば、食事をして血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が上がると、すい臓という器官から「インスリン」というホルモンが分泌されます。インスリンは、筋肉や肝臓などの細胞に働きかけ、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込むように促します。その結果、血糖値は正常な範囲に戻るのです。このように、ホルモンは神経系のように電気信号で情報を伝えるのではなく、血液を介してメッセージ物質を運ぶという特徴があります。体内で作られるホルモンの種類は実に多岐にわたり、それぞれが異なる役割を担うことで、私たちの体の機能を非常に細かく、そして協調的に調節しているのです。

項目 説明
ホルモンとは 体の調整機能を担う物質。
特定の器官で作られ、血液を通じて別の器官や組織に移動し、細胞の働きを調節する。
特徴 – ごく微量でも大きな効果を発揮する
– 神経系とは異なり、血液を介してメッセージ物質を運ぶ
ホルモンの役割 体の機能を細かく、協調的に調節する。
例:インスリン 血糖値が上がるとすい臓から分泌され、筋肉や肝臓の細胞に働きかけ、血糖値を下げる。

ホルモンの生産場所

ホルモンの生産場所

私たちの体内で様々な働きを調整しているホルモンは、特定の器官で作られています。これらの器官は、さながらホルモンの生産工場のように機能しています。

ホルモン生産の司令塔ともいえるのが、脳にある視床下部と脳下垂体です。視床下部は、体の状態を常に監視し、必要なホルモンの生産を脳下垂体に指示します。脳下垂体は、その指示を受けて、成長ホルモンや、他の内分泌器官に働きかけるホルモンなどを分泌します。

首の前側にある甲状腺は、体の代謝を調節するホルモンを分泌します。のどぼとけの下にある副甲状腺は、カルシウムのバランスを整えるホルモンを分泌します。

お腹のあたりでは、胃の裏側にあるすい臓が血糖値を調整するホルモンを、腎臓の上にある副腎はストレスに対処するホルモンなどを分泌します。

そして、男性の睾丸、女性の卵巣といった生殖腺は、生殖機能に関わるホルモンを分泌します。さらに、妊娠中には、赤ちゃんを育てる胎盤もホルモンを分泌し、母体と赤ちゃんの健康を維持します。

このように、体内の様々な場所でホルモンが作られ、それぞれの役割を果たすことで、私たちの体は健康に保たれているのです。

ホルモン生産器官 ホルモンの役割
視床下部 体の状態を監視し、脳下垂体にホルモン分泌の指示を出す司令塔
脳下垂体 成長ホルモン、他の内分泌器官に働きかけるホルモンなどを分泌
甲状腺 体の代謝を調節するホルモンを分泌
副甲状腺 カルシウムのバランスを整えるホルモンを分泌
すい臓 血糖値を調整するホルモンを分泌
副腎 ストレスに対処するホルモンなどを分泌
睾丸(男性) 生殖機能に関わるホルモンを分泌
卵巣(女性) 生殖機能に関わるホルモンを分泌
胎盤(妊娠中) 母体と赤ちゃんの健康を維持するホルモンを分泌

ホルモンの種類

ホルモンの種類

人間の体には、様々な役割を担う化学物質であるホルモンが存在します。このホルモンは、その化学構造によって大きく三つのグループに分類されます。

一つ目は、たんぱく質やペプチドから作られるホルモンです。たんぱく質はアミノ酸が多数結合したものであり、ペプチドは少ない数のアミノ酸が結合したものです。このグループには、血糖値を下げる働きを持つインスリンや、骨や筋肉の成長を促す成長ホルモンなどがあります。

二つ目は、ステロイドと呼ばれる脂質から作られるホルモンです。ステロイドはコレステロールを元に作られ、細胞膜を透過しやすい性質を持っています。男性ホルモンであるテストステロンや、女性ホルモンであるエストロゲンなどがこのグループに属し、生殖機能や性徴に深く関わっています。

三つ目は、アミノ酸を材料として作られるホルモンです。アミノ酸はたんぱく質の構成要素でもある物質です。このグループには、代謝を調節する甲状腺ホルモンや、ストレス反応に関与するアドレナリンなどがあります。

このように、ホルモンは多様な構造を持つことで、それぞれの役割に適した形で、体の様々な機能を調節しているのです。

ホルモンの分類 特徴
ペプチドホルモン たんぱく質やペプチドから作られる インスリン、成長ホルモン
ステロイドホルモン 脂質(コレステロール)から作られる
細胞膜を透過しやすい
テストステロン、エストロゲン
アミノ酸誘導体ホルモン アミノ酸から作られる 甲状腺ホルモン、アドレナリン