エネルギー社会の立役者:二次エネルギー
電力を見直したい
先生、『二次エネルギー』って言葉が出てきたんですけど、どういう意味ですか?
電力の研究家
良い質問だね。『二次エネルギー』は、石油や石炭などを使いやすい形に変えたエネルギーのことだよ。例えば、石油からガソリンを作ったり、石炭を燃やして電気を作ったりすることだね。
電力を見直したい
なるほど。じゃあ、石油や石炭そのものは『二次エネルギー』じゃないんですか?
電力の研究家
その通り!石油や石炭のように、自然の状態から取り出したままのエネルギーは『一次エネルギー』と呼ぶんだ。そして、それを私たちが使いやすい形に変えたものが『二次エネルギー』なんだよ。
二次エネルギーとは。
「二次エネルギー」は、原子力発電だけでなく、エネルギー全体で使われる言葉です。石油や石炭などの自然にあるままのエネルギー資源(一次エネルギー)を、運びやすく、貯めやすく、使いやすく形を変えたものを指します。簡単に言うと、私たちが普段使っている電気やガソリン、灯油、都市ガスなどは、元は石油や石炭といった一次エネルギーを加工した二次エネルギーにあたります。「最終エネルギー」と同じ意味で使われることもありますが、二次エネルギーをさらに手を加えてから使うことも多いです。例えば、電気はそのまま照明に使ったり、熱に変えて暖房に使ったりします。
エネルギーの形を変える
私たちが日々、電気やガスなどとして消費しているエネルギーは、実はそのままの形で自然界に存在しているわけではありません。石油や石炭、天然ガスといった資源は「一次エネルギー」と呼ばれ、これらは言わばエネルギーの原材料のようなものです。
これらの一次エネルギーは、そのままでは私たちにとって使い勝手が悪く、日常生活で活用するには不向きです。例えば、石油はそのままでは自動車の燃料として使えませんし、石炭を燃やして暖を取るにも限界があります。
そこで、私たちが使いやすい形にエネルギーを変換する必要があります。この過程で生み出されるのが「二次エネルギー」です。 発電所では、石油や石炭、天然ガスなどの一次エネルギーを熱エネルギーに変換し、さらに電気エネルギーへと変換しています。こうして作られた電気エネルギーは、送電線を通じて家庭や工場に届けられ、私たちの生活を支えています。
エネルギーの形を変える技術は、私たちの生活を豊かにするために欠かせないものです。そして、エネルギーを効率的に変換し、無駄なく使うことが、地球環境を守る上でも重要になってきます。
エネルギーの種類 | 説明 | 例 |
---|---|---|
一次エネルギー | 自然界に存在するエネルギーの原材料 | 石油、石炭、天然ガスなど |
二次エネルギー | 一次エネルギーを 変換 し、使いやすい形にしたエネルギー | 電気、都市ガス、ガソリンなど |
身近なエネルギーの正体
「二次エネルギー」という言葉は、あまり聞き慣れないかもしれません。しかし実際には、私たちが日常生活で使うエネルギーのほとんどは、この二次エネルギーにあたります。
例えば、家庭で電気をつけたり、テレビを見たり、冷蔵庫を使ったりするときに必要な電気は、発電所で石油や石炭、天然ガスなどを燃やし、その熱を利用して電気を作っています。このように、もともと存在するエネルギーを別の使いやすい形に変換したものが、二次エネルギーと呼ばれるものです。
電気以外にも、私たちの生活に欠かせない二次エネルギーはたくさんあります。自動車を動かすために必要なガソリンや灯油は、原油を精製して作られる二次エネルギーです。また、寒い冬に部屋を暖めるために使う都市ガスも、天然ガスから作られる二次エネルギーです。
このように、私たちが毎日何気なく使っているエネルギーは、様々な過程を経て私たちの元に届いていることが分かります。
二次エネルギー | 原料・エネルギー源 | 用途例 |
---|---|---|
電気 | 石油、石炭、天然ガスなど | 照明、家電製品の使用 |
ガソリン、灯油 | 原油 | 自動車の燃料 |
都市ガス | 天然ガス | 暖房 |
二次エネルギーと最終エネルギー
私たちが日常生活で消費するエネルギーには、姿を変える前のエネルギーから、使いやすい形に変えられたエネルギー、そして最終的に消費されるエネルギーの形があります。これらの関係を理解するために、「二次エネルギー」と「最終エネルギー」の違いを押さえておきましょう。「二次エネルギー」は、石油や天然ガス、石炭、太陽光といった自然界に存在する状態のエネルギー(一次エネルギー)を、私たちにとって使いやすい形に変換したものです。例えば、発電所で石油を燃やして作る電気や、石油から精製されるガソリンなどが二次エネルギーに該当します。
二次エネルギーは、さらに用途に合わせて形を変えながら使われます。この最終的に消費されるエネルギーの形を「最終エネルギー」と呼びます。例えば、工場で機械を動かすために電気を使う場合、この電気は最終エネルギーです。また、家庭でガスコンロを使う際に消費される都市ガスも最終エネルギーに分類されます。
このように、同じ電気やガスでも、それがどのような目的でどのように使われるかによって、二次エネルギーと最終エネルギーに区別されます。エネルギーの全体像を把握するためには、これらの用語の違いを理解することが重要です。
分類 | 説明 | 例 |
---|---|---|
一次エネルギー | 自然界に存在する状態のエネルギー | 石油, 天然ガス, 石炭, 太陽光など |
二次エネルギー | 一次エネルギーを、使いやすい形に変換したもの | 電気, ガソリン, 都市ガスなど |
最終エネルギー | 用途に合わせて形を変えた、最終的に消費されるエネルギー | 工場で機械を動かすための電気 家庭でガスコンロで消費される都市ガスなど |
エネルギー変換の重要性
私たちが日常生活でエネルギーを使うとき、実は、エネルギーの姿を大きく変える変換プロセスを経ています。これをエネルギー変換と呼びますが、エネルギー変換は、私たちの生活を支えるエネルギーを、使いやすい形に変え、必要な場所へ届けるために、とても重要な役割を担っています。なぜなら、石油や石炭、天然ガスといった、自然から採取したままのエネルギー源(一次エネルギー)は、そのままでは、私たちの生活で使いにくい場合が多いからです。
例えば、冬の暖房として、石油や石炭をそのまま燃やしたとしましょう。すると、熱は発生しますが、同時に大量の煙や灰も出てしまいます。部屋の中は暖まっても、空気が汚れ、健康にも良くありません。また、エネルギー資源は世界中に均等に存在しているわけではなく、特定の地域に偏っている場合が少なくありません。日本のように、エネルギー資源の多くを輸入に頼っている国では、遠く離れた場所から、どのようにしてエネルギーを運んでくるかという課題も出てきます。
このような問題を解決するのがエネルギー変換です。一次エネルギーを電力や都市ガス、ガソリンといった二次エネルギーに変換することで、エネルギーをより効率的に使うことができるようになり、環境への負荷を減らすことも可能になります。さらに、エネルギーを必要な場所へ安全に運ぶことにも役立ちます。エネルギー変換は、私たちの暮らしを支える、重要な技術といえるでしょう。
二次エネルギーと未来のエネルギー
私たちの日常生活は、電気やガソリン、都市ガスといった、形を変えて利用できるエネルギーなしには成り立ちません。こうしたエネルギーは二次エネルギーと呼ばれ、現代社会において必要不可欠な存在となっています。しかし、現在私たちが主に利用している二次エネルギーの多くは、石油や石炭といった化石燃料を元にして作られています。これらの資源には限りがあり、使い続ければいずれ枯渇してしまうという大きな問題を抱えています。さらに、化石燃料を燃やす際に発生する二酸化炭素などの温室効果ガスは、地球温暖化の主な原因の一つとされており、地球環境への影響も懸念されています。
このような背景から、近年では、太陽光や風力といった自然の力からエネルギーを得て、それを電力などの二次エネルギーに変換する技術の開発が積極的に進められています。これらのエネルギーは、化石燃料とは異なり、枯渇する心配がほとんどなく、環境への負荷も低いことから、持続可能な社会を実現するための鍵として期待されています。また、水素をエネルギーとして利用する技術も注目されています。水素は燃焼しても二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーであり、将来のエネルギー社会を支える新たな選択肢として、研究開発が進められています。これらの技術革新によって、エネルギー問題の解決と持続可能な社会の実現を目指していくことが、私たちの未来にとって非常に重要です。
分類 | 種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
二次エネルギー | 石油・石炭などの化石燃料 | – | – 資源の枯渇 – 地球温暖化の原因となる |
太陽光・風力など | – 資源の枯渇の心配が少ない – 環境負荷が低い |
– | |
水素エネルギー | – 燃焼しても二酸化炭素を排出しない | – |