エネルギーの単位:バーレルって?
電力を見直したい
先生、「バレル」って原子力発電と何か関係があるんですか?石油の単位って習ったんですけど…
電力の研究家
鋭い質問だね!確かに「バレル」は石油の量を表す単位として有名だけど、原子力発電の文脈でも使われることがあるんだ。
電力を見直したい
え、そうなんですか?どんな時に原子力発電で「バレル」を使うんですか?
電力の研究家
例えば、原子力発電の燃料となるウランの量を、石油に換算して表す時に使ったりするよ。ウラン鉱石から燃料を取り出す過程で、どれだけの石油に相当するエネルギーを使っているか、といった比較をする際に「バレル」が出てくることがあるんだ。
バレルとは。
「バレル」という言葉は、原子力発電ではなく、石油の量をはかる単位として使われます。これは、英語で「たる」という意味の「Barrel」からきています。
石油の量の単位として「バレル」が使われるようになったのは、1859年にアメリカでエドウィン・ドレークが油井を掘ったことがきっかけです。その頃は、石油を運ぶのに、お酒を入れる木製のたるを使っていました。ところが、目的地に着いたときに、たるの中身が蒸発したり漏れたりして、最初に詰めた量の約8割に減ってしまっていました。そこで、この減った後の量を「1バレル」と決めたと言われています。
1バレルは約158.9リットルで、アメリカのガロンという単位で表すと約42ガロンに相当します。ちなみに、アメリカでは、ガロンは飲み物の量など、いろいろな液体の量をはかる単位として広く使われています。
石油の量り方
– 石油の量り方
石油や原油の価格を伝えるニュースなどで、「1バレルあたり〇〇円」といった表現を耳にすることがありますね。この「バレル」とは、一体どのような単位なのでしょうか?
実は「バレル」は、体積を表す単位の一つです。ニュースなどでは「1バレルは約159リットル」と紹介されているのを目にしたことがあるかもしれません。これは、ドラム缶およそ2つ分の大容量に相当します。
では、なぜ石油の量を測るのに「バレル」が使われているのでしょうか?
19世紀半ば、アメリカで石油産業が盛んになった当初、石油は様々な容器に入れて運搬されていました。その中でも特に多く使われていたのが、ウィスキー樽だったのです。 当時はまだ決まった単位がなく、このウィスキー樽を単位として「1バレル」と呼ぶようになりました。
その後、石油産業が世界中に広がるにつれて「バレル」も世界共通の単位として定着していきました。ただし、国や地域によって微妙に容量が異なっていたため、1980年代に国際的に1バレル=42米ガロン(約159リットル)と統一されました。
現在では、世界中の石油取引でこの「バレル」という単位が使われています。
項目 | 詳細 |
---|---|
バレルとは | 体積の単位。ドラム缶およそ2つ分の大容量。 |
由来 | 19世紀半ば、アメリカで石油運搬にウィスキー樽が多く使われていたため。 |
容量の統一 | 1980年代に国際的に1バレル=42米ガロン(約159リットル)と統一。 |
バーレルの由来
石油の量を表す際に用いられる「バーレル」という単位。一体なぜ「樽」を意味する単語が、石油の量を表すようになったのでしょうか。その起源は、14世紀頃の中世フランスに遡ります。当時、「樽」を意味する「baril」という言葉が使われていました。時代は流れ、19世紀半ば、アメリカで石油産業が幕を開けました。この頃、石油はまだ貴重な資源として扱われており、その輸送手段として選ばれたのが、シェリー酒を運ぶために使われていた木製樽でした。このシェリー酒用の樽の容量が、約159リットルであったことから、いつしか石油の量を表す単位として「バーレル」が用いられるようになったと言われています。当時のアメリカでは、この木製樽が石油の標準的な輸送容器として広く普及していました。そのため、石油の取引量や生産量を測る際にも、自然と「樽」の単位が用いられるようになったのです。こうして、中世フランスの「baril」という言葉は、海を渡り、時代を超えて、現代の石油産業においても重要な単位として受け継がれているのです。
時代 | 出来事 | 詳細 |
---|---|---|
14世紀頃 | 「baril」という言葉が使われ始める | フランスで「樽」を意味する言葉として使われていた |
19世紀半ば | アメリカで石油産業が始まる | シェリー酒用の木製樽(約159リットル)が石油輸送に用いられる |
現代 | 「バーレル」が石油の量を表す単位として定着 | 石油取引や生産量の測定に「樽」の単位が用いられる |
世界標準の単位へ
石油の量を表す単位として、世界中で共通して使われている「バーレル」。今では国際的な取引の場でも当たり前のように用いられるこの単位ですが、その始まりは意外なところにありました。
そもそも石油は、初期の頃は船で輸送される際に、蒸発したり、わずかな隙間から漏れ出したりしてしまい、目的地に着く頃には量が減ってしまうことが多かったそうです。その当初の石油の輸送量は50米ガロン。これは現在の単位に換算すると約189リットルに相当します。しかし、輸送中に量が減ってしまうことから、最終的に受け取る側の量が42米ガロン(約159リットル)で落ち着き、この量が「1バーレル」として定着したという説が有力とされています。
このように、偶然の産物として生まれた「バーレル」という単位ですが、今では世界中で石油の取引に欠かせないものとなっています。
項目 | 量 |
---|---|
初期の石油輸送量 | 50米ガロン (約189リットル) |
輸送後の石油量(1バーレル) | 42米ガロン (約159リットル) |
エネルギー量としてのバーレル
「バーレル」という言葉は、石油の体積を表す単位として広く知られていますが、それだけではありません。実は、「バーレル」はエネルギーの単位としても使われているのです。 石油は燃やすことで熱や電気を生み出すことができます。このため、石油にどれだけのエネルギーが蓄えられているかを表す際に、「1バーレル」が持つエネルギー量をもって「1バーレル」と表現することがあります。
国際エネルギー機関(IEA)によると、原油1バーレルは約580万Btuのエネルギーを持っているとされています。Btuとは、イギリス熱量単位と呼ばれるエネルギーの単位です。 この580万Btuというエネルギーは、どれくらいの量なのでしょうか? 一般的な家庭の電気使用量を基準にすると、原油1バレルに含まれるエネルギーは約1.5か月分の電力量に相当します。 つまり、ドラム缶1本分の石油に、1世帯を1か月以上も支えるエネルギーが秘められているということになります。
項目 | 内容 |
---|---|
単位としての「バーレル」 | 石油の体積だけでなく、エネルギーの単位としても使われる |
原油1バレルのエネルギー量 | 約580万Btu(イギリス熱量単位) |
580万Btuの目安 | 一般的な家庭の約1.5か月分の電気使用量 |
まとめ
石油の取引に使われる単位「バーレル」について、その歴史と現代社会における役割をまとめます。
「バーレル」は、石油産業の黎明期から使われてきた単位です。その起源は、19世紀半ばのアメリカ・ペンシルバニア州に遡ります。当時、石油は木製の樽に詰められて運搬されていました。その樽の容量が、現在の「バーレル」の由来となっています。当初は、樽の大きさや形状が統一されておらず、地域や時代によって容量が異なっていました。しかし、1866年にアメリカで石油生産者協会が設立されると、容量が42米ガロン(約159リットル)の「スタンダードオイル・バレル」が制定され、これが今日の「バーレル」の基準となっています。
現代社会においても、「バーレル」は石油取引における主要な単位として使われています。これは、長年にわたって世界中で広く普及してきた歴史的経緯や、産油国や石油会社にとって使い慣れた単位であることなどが理由として挙げられます。また、「バーレル」という単位は、原油価格の指標としても重要です。原油価格は、「1バーレルあたりいくら」という形で取引され、世界経済に大きな影響を与えています。今後も、「バーレル」は石油取引の主要な単位として、世界経済において重要な役割を果たしていくと考えられます。
項目 | 内容 |
---|---|
単位の名称 | バーレル |
起源 | 19世紀半ば、アメリカ・ペンシルバニア州で石油運搬に使われていた木製の樽 |
容量の変遷 | 当初は統一されていなかったが、1866年にアメリカで42米ガロン(約159リットル)の「スタンダードオイル・バレル」が制定 |
現代の役割 | 石油取引の主要な単位、原油価格の指標 |