せん断工程

核燃料

原子力発電の要:前処理工程とは?

- 前処理工程の役割原子力発電所では、核燃料としてウランが使われています。発電に使用された後も、燃料の中にはまだ多くのウランや、運転中に新たに生成されるプルトニウムが含まれています。これらの物質は、再びエネルギーとして利用できる貴重な資源です。使用済み燃料を再処理し、ウランやプルトニウムを抽出・精製して再び燃料として利用する技術は、資源の有効活用と放射性廃棄物の減容化に大きく貢献します。前処理工程は、この再処理技術において最初の、そして非常に重要なステップを担っています。使用済み燃料は、そのままではウランやプルトニウムを抽出することができません。そこで、前処理工程では、使用済み燃料を硝酸に溶解し、ウランやプルトニウムを抽出可能な形に変換します。具体的には、せん断工程、溶解工程、清澄工程 の三つの工程を経て、ウランやプルトニウムを含む硝酸溶液を精製します。まず、せん断工程では、使用済み燃料を機械的に細かく切断します。次に、溶解工程では、切断した燃料を硝酸で溶解し、ウランやプルトニウムを硝酸溶液中に移します。その後、清澄工程では、溶解液中に含まれる燃料被覆管などの不溶解残渣を分離し、ウランやプルトニウムを含む硝酸溶液を精製します。このように、前処理工程は、その後の工程でウランやプルトニウムを抽出・精製するための重要な役割を担っており、再処理技術全体にとっても欠かせない工程です。