
放射線治療:がんと闘う見えない力
- 放射線治療とは放射線治療は、目に見えないエネルギーである放射線を利用して、がん細胞を死滅させる治療法です。がん細胞は、正常な細胞よりも放射線に対する感受性が高く、大量の放射線を浴びると細胞が傷つき、増殖する能力を失い、やがて死滅します。一方、正常な細胞も放射線の影響を受けますが、がん細胞に比べて回復力が強く、修復されます。放射線治療では、このがん細胞と正常な細胞の放射線に対する反応の違いを利用して、がん組織をピンポイントで攻撃します。
放射線治療には、体の外から放射線を照射する「外部照射」と、放射性物質を入れた小さな容器などを体内に挿入してがん組織に近づけて照射する「内部照射」の二つがあります。治療を受ける期間や回数は、がんの種類や進行度、患者さんの状態によって異なります。
放射線治療は手術、抗がん剤治療と並ぶがん治療の三大療法の一つであり、多くの場合、他の治療法と組み合わせて行われます。近年では、放射線治療技術の進歩により、副作用を抑えながら、より効果的にがんを治療できるようになってきています。