
自然界に存在する放射線源
- 自然放射性核種とは
地球が誕生した時から、私たちの身の回りにはウランやトリウムのように、放射線を出しながら他の元素へと姿を変える性質を持つ物質、すなわち放射性物質が存在しています。これを自然放射性核種と呼びます。人工的に作り出された放射性物質である人工放射性核種とは異なり、自然放射性核種は自然界に元々存在するものです。
自然放射性核種には、ウランやトリウムの他にも、カリウム40や炭素14など様々な種類があります。これらの放射性物質は、それぞれがウラン系列、トリウム系列、アクチニウム系列といった崩壊系列を形成し、長い年月をかけて崩壊を繰り返しながら、最終的には安定な鉛へと変化していきます。
自然放射性核種は、土壌や岩石、大気、水など、私たちの身の周りのあらゆる場所に存在しています。そのため、私たちは常に微量の自然放射線を浴びながら生活しています。これらの放射線は、宇宙から降り注ぐ宇宙線と同様に、私たちの生活に無くてはならない自然現象の一部といえます。