独立国家共同体:CISとは?
1991年、世界を二分した冷戦構造は終焉を迎え、巨大国家ソビエト連邦は崩壊しました。これに伴い、かつてソ連を構成していた共和国は、それぞれ独立への道を歩み始めます。しかし、長年にわたる共産主義体制の影響は根強く、経済、軍事、政治など、多くの分野で共通の課題を抱えていました。
このような状況下、バルト三国を除く12の旧ソ連構成共和国によって、独立国家共同体、通称CISが設立されました。CISは、1991年12月8日にベラルーシ、ロシア、ウクライナの3カ国によって創設され、その後、他の共和国も参加しました。
CISの主な目的は、加盟国間の相互協力と調整を通じて、政治的、経済的、社会的な安定と発展を実現することです。具体的には、貿易や投資の促進、エネルギー協力、テロ対策、組織犯罪対策、紛争予防などが挙げられます。
CISは、冷戦後の激動期において、旧ソ連諸国が共通の課題に対処し、新たな関係を構築するための重要な枠組みを提供しました。しかし、近年では、ウクライナ危機やナゴルノ・カラバフ紛争など、加盟国間の対立も顕在化しており、CISの将来は不確実なものとなっています。