イエローケーキ

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原子力発電の燃料サイクル:再転換工程

原子力発電所で使われる燃料には、ウランが使われています。ウランは自然の中にもともと存在していますが、発電に使うためには、ウランの濃度を高める必要があり、この作業を「濃縮」と呼びます。 天然ウランの中には、ウラン235とウラン238という二種類のウランが含まれています。このうち、発電に利用できるのはウラン235の方ですが、天然ウランの中に含まれているウラン235の割合はわずか0.7%ほどしかありません。そこで、ウラン235の割合を高めて、発電に適した濃度にする工程がウラン濃縮です。 ウラン濃縮を行うには、まずウランを「六フッ化ウラン」という物質に変える必要があります。六フッ化ウランは常温では固体ですが、少し温度を上げると気体になる性質を持っているため、濃縮作業に適しています。 ウラン濃縮が終わると、六フッ化ウランを酸化ウランという物質に戻す「再転換」という工程に入ります。酸化ウランは、原子炉の中で燃料として使えるように、ペレット状に加工されます。 このように、ウラン濃縮と再転換は、原子力発電の燃料を作る上で欠かせない工程です。
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原子力発電の燃料ができるまで:転換工程の役割

原子力発電の燃料となるウランは、地中から掘り出したウラン鉱石を精錬し、いくつかの工程を経て作られます。ウラン鉱石には、ウラン以外にも様々な物質が含まれています。そこで、不要な物質を取り除き、ウランの含有量を高める「精錬」という工程が必要になります。 まず、採掘されたウラン鉱石を砕き、薬品を使ってウランだけを溶かし出します。そして、溶液から不純物を取り除き、乾燥・粉末化すると、黄色の粉末であるウラン精鉱(イエローケーキ)が得られます。 しかし、イエローケーキにはまだウラン以外の物質が含まれているため、原子炉の燃料として使用するためには、さらに純度を高める精製工程や、燃料の形に加工する工程が必要になります。こうして、長い工程を経て、ようやく原子力発電の燃料となるウランが完成するのです。
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原子力発電の要、イエローケーキとは?

原子力発電の燃料となるウランは、 ウラン鉱石と呼ばれる岩石中にわずかに含まれています。しかし、鉱石の状態ではウランの濃度が低く、発電炉で利用できません。そこで、ウラン鉱石を掘り出した採掘現場の近くで行われるのが「粗製錬」と呼ばれる工程です。 まず、採掘されたウラン鉱石を細かく砕く作業が行われます。そして、砕かれた鉱石は、ウランだけを溶かし出す薬品と混ぜ合わされます。この工程を経ることで、ウラン以外の不純物からウランが分離されます。分離されたウランは、さらに乾燥、ろ過といった工程を経て、最終的に黄色の粉末状になります。この黄色の粉末は「イエローケーキ」と呼ばれ、ウラン濃縮工場へと輸送されます。 イエローケーキの状態でも、ウラン235の濃度はまだ低いため、原子力発電の燃料として使用するには、さらなる濃縮工程が必要となります。
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ウラン転換: 原子力発電の燃料製造を支える重要なプロセス

- ウラン転換とはウラン鉱石から取り出された状態のウランは、薄い黄色の粉末状物質で、イエローケーキと呼ばれます。イエローケーキにはウランが含まれていますが、この状態では原子力発電で燃料として使用することができません。原子力発電で燃料として利用するためには、いくつかの工程を経て加工する必要があります。ウラン転換とは、イエローケーキを原子力発電の燃料に加工する工程の一つで、六フッ化ウランと呼ばれる物質に変換することを指します。六フッ化ウランは、常温では固体ですが、わずかに温度を上げると気体になるという性質を持っています。この性質を利用して、ウランを濃縮する工程で利用されます。ウランには、核分裂を起こしやすいウラン235と、核分裂を起こしにくいウラン238という種類が存在します。天然に存在するウランの場合、ウラン235はわずか0.7%程度しか含まれておらず、大部分はウラン238です。原子力発電では、ウラン235の割合を高める、すなわちウランを濃縮する必要があります。六フッ化ウランの状態にすることで、遠心分離法などによって効率的にウランを濃縮することが可能になります。このように、ウラン転換は、ウラン濃縮の前段階として必要不可欠な工程と言えます。ウラン転換を経ることで、イエローケーキは原子力発電の燃料として使用できる形に一歩近づきます。
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ウラン製錬:原子力発電の燃料を作るまで

私たちの社会を支える電気エネルギー。その供給源の一つである原子力発電所では、ウランと呼ばれる物質が燃料として使われています。しかし、ウランは、そのまま発電所で使用できるわけではありません。原子力発電の燃料となるウランは、自然界に存在するウラン鉱石と呼ばれる鉱物から取り出されます。 ウラン鉱石と一口に言っても、その種類は様々です。代表的なものとしては、黄色い色をした閃ウラン鉱、瀝青ウラン鉱とも呼ばれる黒いピッチブレンド、そして黄色や緑色をしたブランネル石などが挙げられます。これらの鉱石は、世界各地の地層や岩石の中に存在しています。 ウラン鉱石の特徴は、ウランが酸素と結びついた酸化物の形で含まれていることです。このウラン酸化物は、そのままでは原子力発電の燃料として使うことはできません。鉱石から不純物を取り除き、ウランの濃度を高める作業が必要です。こうして精製されたウランは、原子力発電所の燃料として利用され、莫大なエネルギーを私たちに供給してくれるのです。
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原子力発電の燃料ができるまで:製錬工程の役割

- 製錬とは 製錬とは、鉱石という岩石や土壌と混ざり合った状態から、金属を取り出す技術のことです。金属は自然界では純粋な形で存在することは稀であり、ほとんどの場合、鉱石として地中に眠っています。この鉱石から金属を取り出し、私たちの生活で利用できる形にするために製錬は欠かせません。製錬は古代より人類の発展に大きく貢献し、文明を支えてきました。 製錬には、大きく分けて二つの方法があります。一つは高温処理を用いる乾式製錬です。この方法は、鉱石を炉などで高温で熱し、金属を溶かし出すことで分離します。鉄や銅など、比較的融点の高い金属の製錬に用いられます。もう一つは、薬品を用いる湿式製錬です。こちらは、鉱石を酸やアルカリなどの薬品で溶かし、目的の金属だけを抽出する方法です。金やウランなど、乾式製錬が難しい金属の製錬に用いられます。 このように、製錬は金属を得るための重要な工程であり、私達の生活を支える様々な製品の製造に欠かせない技術と言えるでしょう。
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イエローケーキ:ウラン精鉱について

- 精鉱とは鉱石には、金、銀、銅、鉄といった私達の生活に欠かせない貴重な金属が含まれています。しかし、これらの金属は、そのままの状態では土や石などの不純物が多く含まれており、利用することができません。そこで、鉱石からこれらの有用な成分だけを取り出して、純度を高めるプロセスが必要になります。この、濃縮された有用成分のことを「精鉱」と呼びます。精鉱を得るためには、鉱石を砕いたり、薬品で溶かしたり、比重や磁力を利用するなど、様々な方法を組み合わせて不純物を取り除いていきます。この精鉱を作る作業全体を「選鉱」と呼びます。選鉱には、目的の金属や鉱石の種類、埋蔵されている場所の環境などによって、最適な方法が選択されます。精鉱にすることで、不純物が減り、有用成分の割合が大きくなるため、その後の製錬プロセスを効率的に行うことができます。例えば、精鉱として運搬する場合、不必要な成分を運ぶ必要がなくなり、輸送コストの削減にも繋がります。このように、精鉱は、資源を無駄なく有効に活用するために欠かせないものであり、私達の生活を支える金属を効率的に生産する上で重要な役割を担っていると言えるでしょう。
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イエローケーキ:ウラン資源の重要な中間生成物

- イエローケーキとはイエローケーキは、ウラン鉱石を処理して不純物を取り除いた後の、ウラン濃縮を行う前の段階の中間生成物を指します。別名「ウラン精鉱」とも呼ばれ、ウランを精製する過程において非常に重要な段階です。イエローケーキと呼ばれる所以は、その色合いに由来します。 しかし、実際には鮮やかな黄色をしているとは限らず、黄色からオレンジ色、時には茶褐色に近いものまで、製造方法や含まれる不純物の種類によってその色は様々です。これは、ウラン精鉱の製造過程で使用する化学物質や乾燥温度によって色が変化するためです。ただし、いずれの色合いにおいても、六価ウラン特有の黄色みを帯びていることは共通しており、この特徴からイエローケーキという名前が付けられました。見た目は粉末状ですが、実際には粒子の細かい砂のような状態で、水には溶けにくい性質を持っています。イエローケーキには、まだウラン以外の物質も含まれているため、原子力発電の燃料として使用するには、さらに精製・濃縮するプロセスが必要となります。