
原子力発電の要、イエローケーキとは?
原子力発電の燃料となるウランは、 ウラン鉱石と呼ばれる岩石中にわずかに含まれています。しかし、鉱石の状態ではウランの濃度が低く、発電炉で利用できません。そこで、ウラン鉱石を掘り出した採掘現場の近くで行われるのが「粗製錬」と呼ばれる工程です。
まず、採掘されたウラン鉱石を細かく砕く作業が行われます。そして、砕かれた鉱石は、ウランだけを溶かし出す薬品と混ぜ合わされます。この工程を経ることで、ウラン以外の不純物からウランが分離されます。分離されたウランは、さらに乾燥、ろ過といった工程を経て、最終的に黄色の粉末状になります。この黄色の粉末は「イエローケーキ」と呼ばれ、ウラン濃縮工場へと輸送されます。
イエローケーキの状態でも、ウラン235の濃度はまだ低いため、原子力発電の燃料として使用するには、さらなる濃縮工程が必要となります。