
ウラン製錬:原子力発電の燃料を作るまで
私たちの社会を支える電気エネルギー。その供給源の一つである原子力発電所では、ウランと呼ばれる物質が燃料として使われています。しかし、ウランは、そのまま発電所で使用できるわけではありません。原子力発電の燃料となるウランは、自然界に存在するウラン鉱石と呼ばれる鉱物から取り出されます。
ウラン鉱石と一口に言っても、その種類は様々です。代表的なものとしては、黄色い色をした閃ウラン鉱、瀝青ウラン鉱とも呼ばれる黒いピッチブレンド、そして黄色や緑色をしたブランネル石などが挙げられます。これらの鉱石は、世界各地の地層や岩石の中に存在しています。
ウラン鉱石の特徴は、ウランが酸素と結びついた酸化物の形で含まれていることです。このウラン酸化物は、そのままでは原子力発電の燃料として使うことはできません。鉱石から不純物を取り除き、ウランの濃度を高める作業が必要です。こうして精製されたウランは、原子力発電所の燃料として利用され、莫大なエネルギーを私たちに供給してくれるのです。