
原子力事故と放射性エアロゾル
- 放射性エアロゾルとは原子力発電所では、ウラン燃料が核分裂という反応を起こして熱を生み出し、電気を作っています。この核分裂の過程で、莫大なエネルギーとともに、様々な元素からなる放射性物質が生成されます。これは核分裂生成物と呼ばれます。 これらの核分裂生成物は、高温状態では気体の形をとっています。しかし原子炉の中で冷却されると、微粒子となって空気中に漂うことがあります。この微粒子は非常に小さく、直径は100万分の1メートルほどしかありません。 このように、空気中に漂う微粒子であって、放射性物質を含むものを放射性エアロゾルと呼びます。 放射性エアロゾルは、呼吸によって人体に取り込まれる可能性があり、健康への影響が懸念されます。原子力発電所では、放射性エアロゾルが発生することを前提に、フィルターや吸着装置などを備えた排気設備を導入し、環境への放出を最小限に抑える対策を講じています。