地球の未来を予測する「AIMモデル」
- AIMモデルとはAIMモデルとは、アジア太平洋統合評価モデル(Asian-Pacific Integrated Model)の略称で、地球規模で起こる環境問題やエネルギー問題を分析・評価するための大規模なシミュレーションモデルシステムです。1990年に国立環境研究所と京都大学が中心となって開発を開始しました。AIMモデルは、開発当初はアジア地域の国々を対象としていましたが、地球温暖化が国際的な課題として認識されるようになると、世界規模で適用できるよう機能が拡張されました。このモデルは、社会、経済、エネルギー、環境といった様々な分野における複雑な相互作用を考慮し、将来予測や政策評価を行うことができます。具体的には、人口増加や経済成長、技術革新、エネルギー消費、温室効果ガス排出などの要素を組み込み、将来の気候変動やその影響、さらには様々な政策の効果を分析します。AIMモデルは、これまでに国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書など、多くの重要な研究に利用されてきました。地球温暖化対策や持続可能な社会の実現に向けた政策決定に、AIMモデルは重要な科学的根拠を提供しています。