エネルギー業界の巨人:国際石油資本の変遷
20世紀後半、世界の石油業界は「セブン・シスターズ」と呼ばれる7つの巨大企業群によって支配されていました。エクソン、モービル、テキサコ、シェブロン、ガルフ(後にシェブロンに吸収)、BP、ロイヤル・ダッチ・シェルといった企業は、石油の探査、生産、輸送、精製、販売に至るまで、その巨大な影響力を行使し、世界のエネルギー供給を牛耳っていました。
これらの企業は、産油国と強固な関係を築き、石油の安定供給と価格支配を通じて莫大な利益を上げていました。そして、その資金力と影響力は、世界経済を動かす原動力となり、国際政治にも大きな影響を与えていました。
しかし、1970年代に入ると、産油国が資源ナショナリズムを掲げて国有化を推し進めたことや、OPEC(石油輸出国機構)の発足により、セブン・シスターズの力は徐々に衰退していきました。また、地球温暖化問題など、環境問題への意識の高まりも、石油産業に対する風向きを変える一因となりました。
それでも、今日においても、石油は重要なエネルギー源であり続けており、これらの企業は形を変えながらも、世界経済において重要な役割を担っています。そして、再生可能エネルギーへの移行が進む中で、これらの企業は、持続可能な社会の実現に向けて、新たな挑戦を続けています。