ガイガーカウンター

放射線について

ガイガーカウンターの盲点:不感時間

私たちの身の回りには、目には見えない放射線が飛び交っています。その放射線を測る機器の一つに、ガイガーカウンターの愛称で知られるガイガー・ミュラー計数管(GM計数管)があります。これは、放射線が計数管の中に入ると電気信号に変換することで、放射線の量を測定する装置です。ガイガーカウンターは、持ち運びやすく、空間の放射線量を比較的簡単に測定できるという利点があります。学校の実験などでも使われるため、その特徴的な音と合わせて、目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。 しかし、どんなに優れた測定器でも、完璧に放射線を捉えることはできません。測定には必ず誤差がつきものです。ガイガーカウンターの場合、その誤差の一因となるのが「不感時間」と呼ばれる現象です。ガイガーカウンターは、放射線を検知すると電気信号を発しますが、その直後には次の放射線を検知することができません。これが不感時間です。不感時間は非常に短い時間ですが、その間に別の放射線が入ってきてもカウントすることができないため、測定値は実際の放射線量よりも少なくなる傾向があります。 特に放射線量が強い場所では、この不感時間の影響が大きくなります。そのため、正確な放射線量を把握するためには、不感時間による計数率の低下を補正する必要があります。ガイガーカウンターを使用する際には、このような特性を理解しておくことが重要です。
放射線について

放射線をキャッチ!ガイガーカウンターの仕組み

- ガイガーカウンターとはガイガーカウンターは、私たち人間の目には見えない放射線を検出する装置です。1928年にハンス・ガイガーとヴァルター・ミュラーという二人の科学者によって開発されたことから、ガイガー・ミュラー計数管とも呼ばれ、現在では、より親しみやすい「ガイガーカウンター」という名前で広く知られています。では、ガイガーカウンターは一体どのようにして放射線を検出しているのでしょうか?それは、放射線が気体に電気を帯びさせる性質を利用しているのです。ガイガーカウンターの中心部には、薄い金属でできた筒が入っており、その中にはアルゴンなどの気体が封入されています。筒の中には電圧をかけられるようになっており、放射線が気体の中を通過すると、気体の原子が電離され、電流が流れます。この電流を検出することで、放射線が通過したことを確認できるのです。私たちの身の回りには、宇宙や大地など、自然から放射線が常に降り注いでいます。これは自然放射線と呼ばれ、通常は人体に影響を与えるレベルではありません。しかし、原子力発電所などの施設から漏れ出す人工的な放射線は、高いエネルギーを持つため人体に有害な影響を与える可能性があります。ガイガーカウンターは、このような放射線を検知し、目に見える形で教えてくれるため、放射線からの安全を守る上で重要な役割を担っているのです。
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放射線を見つけるGM計数管

- GM計数管とはGM計数管は、1928年にハンス・ガイガーとヴァルター・ミュラーによって開発されたことから、二人の名前をとってガイガー・ミュラー計数管とも呼ばれます。これは、目に見えない放射線を検出することができる画期的な装置です。GM計数管は、内部に気体を封入した円筒形の構造をしています。円筒の中心には電極となる金属線が張り巡らされており、外側の円筒と電極の間に高い電圧がかけられています。放射線が気体中に入ると、気体の分子と衝突しイオン化を引き起こします。イオン化によって生じた電子は、電圧によって加速され、さらに他の気体分子と衝突し、次々とイオン化を引き起こす連鎖反応が起きます。この現象を「電子なだれ」と呼びます。この電子なだれによって発生した大量の電子が電極に到達することで、微弱な電流が発生します。GM計数管はこの電流を検出することで、放射線を検知します。GM計数管は、構造が簡単で小型化しやすいという利点があり、放射線の測定器として広く普及しています。現在でも、医療分野、工業分野、研究機関など、様々な分野で使用されています。