
放射性廃棄物の守護神:キャニスタ
- キャニスタとは原子力発電所では、運転に伴い高レベル放射性廃棄物が発生します。これは、使用済み核燃料を再処理する過程で生じる、放射能レベルが高く、長期間にわたって熱と放射線を出し続ける物質です。 この高レベル放射性廃棄物を安全に保管するために、ガラスと混ぜ合わせて固化処理した後、頑丈な容器に封入します。この容器のことを、キャニスタと呼びます。キャニスタは、厚さ約20センチメートルもの鋼鉄製の円柱形容器で、放射性物質を環境から隔離し、人間や生態系への影響を長期にわたって防ぐための重要な役割を担っています。その頑丈さは、地震や津波などの自然災害はもちろんのこと、航空機の墜落といった外部からの衝撃にも耐えられるほどです。内部は、固化したガラス固化体と呼ばれる放射性廃棄物を複数収納できる構造になっており、さらに、熱を効率的に逃がすための工夫も凝らされています。このように、キャニスタは、未来へ向けて安全に放射性廃棄物を送り出すためのタイムカプセルと言えるでしょう。