クーリッジ管

放射線について

熱電子エックス線管:仕組みと用途

- 熱電子エックス線管とは 熱電子エックス線管は、別名クーリッジ管とも呼ばれ、エックス線を発生させるための真空管です。この装置は、レントゲン撮影やCTスキャンといった医療分野から、材料検査や非破壊検査などの工業分野まで、幅広い分野で活用されています。 熱電子エックス線管は、陰極と陽極と呼ばれる二つの電極を真空状態に保ったガラス管内に設置した構造をしています。陰極にはフィラメントが組み込まれており、電流を流すと熱電子と呼ばれる電子が放出されます。この熱電子を高電圧で陽極まで加速させ、陽極に衝突させることでエックス線を発生させます。 発生するエックス線の強度や波長は、管電圧や管電流を調整することで制御できます。例えば、管電圧を高くすると、よりエネルギーの高いエックス線が得られ、物質を透過する力が強くなります。一方、管電流を大きくすると、発生するエックス線の量が増加し、より鮮明な画像を得ることができます。 熱電子エックス線管は、その汎用性と操作性の高さから、様々な分野で利用されています。医療分野では、人体内部の骨や臓器の状態を鮮明に映し出すことができ、病気の診断や治療に大きく貢献しています。また、工業分野では、製品内部の欠陥検査や材料の組成分析などに利用され、製品の品質向上や安全性確保に役立っています。