原子炉の安全性とサブクール度
- サブクール度とは?液体を加熱すると、やがて沸騰して気体になりますが、この沸騰する温度は圧力によって変化します。山の上のように気圧が低い場所では低い温度で沸騰し、逆に圧力鍋の中のように圧力が高い場所では高い温度で沸騰します。この沸騰する温度のことを飽和温度と呼びます。サブクール度とは、ある圧力における液体の温度が、その圧力での飽和温度よりどれだけ低いかを示す値です。 つまり、液体がどれだけ沸騰から離れているかを表す指標とも言えます。例えば、水は大気圧(1気圧)では100℃で沸騰しますが、圧力を10気圧まで上げると飽和温度は約180℃になります。この時、10気圧下にある水が150℃であれば、飽和温度の180℃と比べて30℃低いので、サブクール度は30℃となります。サブクール度は、原子力発電所など、高い圧力で液体を扱うシステムにおいて重要な役割を果たします。例えば、原子炉で冷却材として用いられる水は、高い圧力に保たれており、沸騰を防ぐためにサブクール度を一定以上に保つ必要があります。