
食品の安全を守る放射能量限度暫定基準
1986年4月26日、旧ソビエト連邦(現ウクライナ)のチェルノブイル原子力発電所で発生した事故は、世界中に衝撃を与えました。未曾有の大事故は広範囲に放射性物質を拡散させ、人々の生活に大きな影を落としました。とりわけ、目に見えない放射能による食品汚染は、私たち日本国民にも大きな不安と懸念を抱かせました。
この未曾有の事態を受け、当時の厚生省は国民の健康を守るため、迅速に動き出しました。食品の安全を確保するため、関係分野の専門家による検討会が設置され、放射性物質が人体にもたらす影響について、あらゆる角度からの検討が行われました。その結果、食品から摂取される放射性物質の量を「できる限り少なくする」という基本方針のもと、食品中に含まれる放射性物質の量に対して、暫定的な基準値が設定されることになりました。これが「食品中の放射能量限度暫定基準」です。この基準は、国民の健康を守るための重要な指針となり、その後も状況を踏まえながら、より一層の安全確保に活かされていくことになります。