原子力発電でも活躍!驚異の素材 PTFE
- PTFEとはポリテトラフルオロエチレン (PTFE) は、フッ素と炭素のみからなるフッ素樹脂の一種です。 一般的には「フッ素樹脂」や商品名である「テフロン」といった名称で知られており、私たちの身の回りでもフライパンのコーティングなどに使われています。PTFEは、その分子構造に由来する優れた特性を持つため、原子力発電所を含む様々な分野で幅広く利用されています。 PTFEの最大の特徴は優れた耐薬品性です。PTFEは、ほぼ全ての溶媒に溶けることがなく、酸やアルカリ、有機溶媒に対しても高い耐性を示します。この特性から、原子力発電所では、腐食性のある物質を扱う配管やバルブのシール材などに利用されています。また、PTFEは高い耐熱性も持ち合わせています。-200℃の極低温から260℃の高温まで、その特性を維持することが可能です。原子力発電所では、高温高圧の蒸気や熱水に晒される環境下でも安定した性能を発揮することが求められますが、PTFEはこのような過酷な条件にも対応できる材料として重宝されています。さらに、PTFEは摩擦係数が非常に小さく、優れた滑り性を有します。そのため、軸受やパッキンなどの摺動部品に用いることで、摩耗を低減し、エネルギー効率の向上に貢献します。原子力発電所においても、ポンプやバルブなどの駆動部分にPTFEが使われています。このようにPTFEは、耐薬品性、耐熱性、滑り性など、数々の優れた特性を持つことから、原子力発電所の安全性と信頼性の向上に欠かせない材料として、様々な箇所で活躍しています。