
国際協力で進めた核融合炉INTOR
- INTORとはINTORは、International Tokamak Reactorの略で、日本語では「国際トカマク炉(建設計画)」といいます。これは、核融合反応を起こしてエネルギーを取り出すことを目指した実験炉です。核融合とは、軽い原子核同士が融合してより重い原子核になる反応で、太陽のエネルギー源ともなっています。INTORは、トカマク型と呼ばれる磁場閉じ込め方式を採用しています。これは、ドーナツ状の真空容器内にプラズマを閉じ込め、強力な磁場によってその高温高密度状態を維持することで核融合反応を誘起する方式です。INTOR計画は、国際原子力機関(IAEA)の主導のもと、1978年から日本、アメリカ、ヨーロッパ、ソ連(当時)が参加して進められました。これは、国際協力によって核融合エネルギーの実現を目指すという壮大な計画でした。概念設計の段階では、炉の大きさや出力、運転方法など、基本的な設計が検討されました。しかし、INTOR計画は実験炉の建設には至らず、その後のITER(国際熱核融合実験炉)計画へと引き継がれることになりました。INTOR計画で得られた知見は、ITER計画の設計や建設に大きく貢献しています。