ニュークリアセイフティネットワーク

原子力の安全

原子力安全の要、NSネットとは?

1999年9月、茨城県東海村にあるJCOウラン加工工場で、作業員による操作ミスが原因で臨界事故が発生しました。この事故は、日本の原子力史上最悪の事故として、社会に大きな衝撃と不安を与えました。この痛ましい事故を教訓として、原子力業界全体で安全意識をより一層高め、二度とこのような事故を起こしてはならないという強い決意のもと、2000年4月にNSネット(ニュークリアセイフティネットワーク)が設立されました。 NSネットは、原子力発電所の運転事業者だけでなく、原子炉や関連機器のメーカー、発電所の建設会社、電力会社、研究機関など、原子力に関わるあらゆる企業・団体が自主的に参加する情報交換ネットワークです。 このネットワークでは、国内外の原子力施設で発生した事故やトラブルの情報、運転や保守に関する技術情報、安全文化の向上に向けた取り組みなどが共有され、参加者全体で安全性の向上に取り組んでいます。NSネットは、いわば「日本版WANO(世界原子力発電事業者協会)」を目指して設立されました。WANOは、世界中の原子力発電事業者が、安全性の向上と信頼性の確保を目的として、情報交換や相互評価などを行う国際機関です。NSネットも、WANOの活動を手本とし、日本の原子力産業全体で安全性を追求していくことを目指しています。