
原子力発電の燃料交換計画とは
原子力発電所では、ウランという物質が持つエネルギーを利用して電気を作っています。ウランは核分裂という反応を起こすと、莫大な熱を生み出します。この熱を利用して水を沸騰させ、蒸気によってタービンを回し、電気を発生させているのです。
しかし、ウランは使い続けると徐々に核分裂を起こしにくくなってしまいます。これは、核分裂の燃料となるウラン235の濃度が低下していくためです。燃料であるウランは、新しいものほどウラン235の濃度が高く、核分裂反応も活発に起こります。しかし、発電に使用し続けるうちにウラン235が消費され、濃度が低下していきます。すると、核分裂の頻度が減り、発電効率が落ちてしまうのです。
このため、原子力発電所では、一定期間ごとに燃料を新しいものと交換する必要があります。古くなった燃料は取り出して、再処理工場へ輸送されます。そして、再処理工場では、使用済み燃料からまだ使えるウランやプルトニウムを回収し、新たな燃料として再利用します。このように、原子力発電では燃料を有効活用することで、エネルギーを効率的に作り出すことができるのです。