ヘリウム原子核

放射線について

ヘリウム原子核:α崩壊の鍵を握る粒子

ヘリウム原子核とは 物質を構成する最小単位を原子と呼びますが、その中心には原子核が存在します。原子核はさらに陽子と中性子という小さな粒子で構成されています。陽子は正の電荷を帯び、中性子は電荷を持ちません。原子番号は陽子の数を表し、それぞれの原子に固有の番号です。 ヘリウムは原子番号が2の元素で、記号はHeで表されます。これは、ヘリウム原子核中に陽子が2つ存在することを意味します。また、ヘリウム原子核の質量数は4です。質量数は陽子の数と中性子の数の合計なので、ヘリウム原子核には中性子も2つ含まれていることが分かります。 このように、ヘリウム原子核は2つの陽子と2つの中性子が強 nuclear 力で結びついてできています。この組み合わせは非常に安定しており、ヘリウムは他の元素と化学反応を起こしにくい性質を持っています。
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α粒子: 原子核から放出される小さなエネルギー

- α粒子の正体α粒子とは、ある種の放射性元素が崩壊する過程で放出される、非常に小さな粒子のことです。この粒子の正体は、ヘリウム4の原子核そのものです。原子核は、原子の中心に位置する非常に小さな領域で、陽子と中性子から構成されています。陽子は正の電荷を帯び、中性子は電荷を持ちません。ヘリウム4の原子核は、2つの陽子と2つの中性子がぎゅっと結合した構造をしています。α粒子は、ウランやラジウムといった放射性元素が崩壊する際に自然に発生します。これらの元素は、原子核が不安定なため、自発的に崩壊してより安定な状態へと変化しようとします。この崩壊の過程で、α粒子が放出されるのです。α粒子は、ヘリウム原子核そのものなので、質量は原子質量単位で約4.00280と、他の放射線と比べて比較的重いという特徴があります。また、2つの陽子を持つため、正の電荷を帯びています。
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α線の基礎知識

α線は、アルファ粒子とも呼ばれ、プラスの電気を帯びた粒子線です。α線は物質を透過する力は弱いですが、電離作用が強い性質を持っています。 α線の正体は、ヘリウム4の原子核そのものです。原子核は陽子と中性子で構成されていますが、ヘリウム4の原子核は陽子2個と中性子2個が結合した状態です。 不安定な原子核は、より安定な状態になろうとして、放射線を放出する現象を起こします。これを放射壊変と呼びますが、α線を放出する放射壊変をα壊変と呼びます。α壊変によって、原子核はα線としてヘリウム4の原子核を放出します。 α壊変が起こると、原子核の陽子の数は2個減り、中性子の数も2個減ります。そのため、α壊変を起こした原子は、原子番号が2減り、質量数が4減った別の原子に変化します。 例えば、ウラン238はα壊変すると、トリウム234へと変化します。α壊変は、ウランやラジウムなど、原子番号の大きな放射性元素でよく見られる現象です。