ホルミシス

放射線について

微量の刺激で健康に?ホルミシスの謎

- 毒にも薬にもなる?ホルミシスとは「ホルミシス」という言葉をご存知でしょうか? 普段の生活ではあまり耳にする機会がないかもしれませんが、実は私たちの身の回りでも見られる興味深い現象です。簡単に言うと、通常は体に害のある物質でも、ごくわずかな量であれば、反対に健康に良い影響を与える可能性があるというものです。例えば、強い太陽の光を長時間浴び続けると、皮膚が赤く炎症を起こしてしまいます。いわゆる日焼けです。しかし、適量の太陽の光を浴びることは、体内でビタミンDを作るために必要であり、骨を丈夫にする効果も期待できます。これはホルミシスの一例と言えるでしょう。他にも、お酒が好きな方なら「お酒は百薬の長」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。適量のお酒は、血の巡りを良くしたり、ストレスを和らげたりする効果も期待できますが、飲み過ぎると体に悪影響があることは言うまでもありません。これもホルミシスの考え方に通じるところがあります。ホルミシスは、放射線などにも当てはまります。大量の放射線を浴びると人体に深刻な影響が出ますが、ごく微量の放射線であれば、体の細胞を活性化させ、免疫力を高めるという研究結果も報告されています。ただし、ホルミシスはまだまだ研究段階であり、全ての人に当てはまるわけではありません。また、どの程度の量が安全で効果的なのかは、物質や個人差によっても異なります。安易に自分で試すことは危険ですので、専門家の意見を参考にするようにしましょう。