
CO2削減への挑戦:RECOPOLプロジェクト
- はじめに地球全体の気温上昇が深刻化する中、二酸化炭素(CO2)の排出量をいかに減らすかは、世界規模で取り組むべき課題となっています。その解決策として期待されている技術の一つに、CO2を地中に閉じ込めてしまう技術、CCS(Carbon Capture and Storage)があります。CCSは、工場や発電所などから排出されるCO2を回収し、地下深くの地層に貯留することで大気中への放出を防ぐ技術です。
CCSの中でも、CO2を炭素を含む地層に注入し、炭素を地中に固定化する技術を「CO2炭層固定化」と呼びます。この技術は、石炭層から天然ガスを回収する際に用いられる技術を応用したものであり、CO2の貯留と同時にエネルギー資源の回収も期待できます。
今回は、EUが中心となって進めているCO2炭層固定化プロジェクトであるRECOPOLプロジェクトについて詳しく解説します。RECOPOLプロジェクトは、ポーランド国内の炭鉱跡地を利用した大規模な実証実験であり、CO2炭層固定化技術の実用化に向けた重要な一歩となることが期待されています。