
海の個性:表層水塊とその特徴
地球の表面の約七割を占める広大な海。どこを見ても同じように見える海水も、場所が変われば性質も変わります。
その違いを生み出す要因の一つに、表層水塊があります。表層水塊とは、海面から五百メートル程度の深さまでの表層部分を占める、水温や塩分などの性質が比較的均一な海水の塊のことです。
例えるなら、広大な海の中に個性豊かな部屋がいくつも存在しているかのようです。
これらの部屋、つまり表層水塊は、太陽の光を浴びる量や雨の量、さらに、海流などによってその性質が異なります。
例えば、赤道付近の海域では、太陽の光をたくさん浴びるため水温が高く、塩分濃度も高くなります。一方、極域に近い海域では、水温が低く、塩分濃度も低くなる傾向があります。
このように、表層水塊は、その場所特有の環境によって異なり、海の環境や生態系に大きな影響を与えています。