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ラテンアメリカを核兵器から守る〜トラテロルコ条約〜

- トラテロルコ条約とはトラテロルコ条約は、「ラテンアメリカ及びカリブ諸国における核兵器の禁止に関する条約」という正式名称で知られています。この条約は、ラテンアメリカ地域を核兵器の脅威から恒久的に守り、平和な地域とすることを目的とした、世界で初めての画期的な国際条約です。1967年2月14日、メキシコのトラテロルコにおいて調印式が行われ、その後、必要な批准手続きを経て、1968年4月22日に発効しました。この条約は、ラテンアメリカ諸国が長年にわたり抱いてきた平和への強い願いと、核兵器の脅威に対する断固たる意志の象徴として、国際社会から高く評価されています。トラテロルコ条約の特徴は、その対象範囲の広さにあります。この条約は、加盟国の領土内だけでなく、領海や領空、さらには経済水域においても、核兵器の開発、実験、製造、保有、配備、使用を一切禁止しています。これは、核兵器のあらゆる側面を網羅的に規制することで、ラテンアメリカ地域を核兵器から完全に隔離しようという強い決意の表れです。トラテロルコ条約の締結は、その後の世界の核軍縮、核不拡散の動きにも大きな影響を与えました。この条約を契機として、同様の核兵器禁止条約が他の地域でも締結されるなど、世界の平和と安全保障の向上に大きく貢献しています。