リスク管理

その他

食品の安全を守るHACCPとは?

- HACCPの起源 HACCPは、「Hazard Analysis and Critical Control Point」の頭文字をとった言葉で、日本語では「危害分析重要管理点」と訳されます。食品の安全性を確保するための管理手法であるHACCPは、1960年代のアメリカで、宇宙食の安全性を確実なものにするために開発されました。 当時の宇宙開発は国家の威信をかけた競争のさなかにあり、宇宙飛行士には最高の体調で任務を遂行することが求められていました。しかし、宇宙空間という特殊な環境下では、食中毒が起きた場合、地上にいるようには簡単に対応できません。万が一、宇宙で食中毒が発生すれば、宇宙飛行士の生命はもちろんのこと、ミッション全体の成功にも重大な影響を及ぼす可能性がありました。 そこで、従来のように完成した食品の検査だけに頼るのではなく、食品の製造工程全体に目を向ける必要性が生まれました。HACCPは、原材料の受け入れから、製造、加工、包装、出荷に至るまでのすべての工程において、危害となる可能性のある要因(Hazard)を特定し分析します。そして、その危害要因を排除したり、安全なレベルまで減らしたりするための特に重要な管理ポイント(Critical Control Point)を定め、そのポイントを重点的に管理することで、より安全な食品の製造を目指そうという考え方から生まれました。
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セベソ2指令:事故から学ぶ環境安全

- セベソ2指令とはセベソ2指令とは、正式には「重大事故の危険性の管理に関するEU指令96/82/EC」と呼ばれる、ヨーロッパ連合(EU)における環境安全に関する重要な法令です。1976年、イタリアのセベソという町で化学工場から有害物質が漏れ出すという痛ましい事故が発生しました。この事故は周辺住民に甚大な健康被害と環境汚染をもたらし、化学物質の危険性に対する意識を世界的に高める転機となりました。セベソ事故の教訓を風化させることなく、二度と同様の悲劇を繰り返さないために制定されたのがセベソ指令であり、その後改訂を経て現在のセベソ2指令に至っています。この指令は、工場やプラントなど、爆発や火災、有害物質の漏洩といった重大事故を引き起こす可能性のある危険な物質を扱う事業所に対して、事故の予防と被害の軽減を義務付けています。具体的には、事業者は危険性評価の実施、予防対策の導入、緊急時対応計画の策定などが求められます。また、情報公開の強化も重要な要素であり、周辺住民に対して事故リスクや安全対策に関する情報提供を行うことで、地域社会全体で安全意識を高めることを目指しています。セベソ2指令は、EU加盟国だけでなく、世界各国の環境安全政策にも大きな影響を与えており、日本でも化学物質管理の法令整備などに参考にされています。
太陽光発電

太陽光発電と災害:知っておきたい備え

地球温暖化が深刻化する現代において、太陽光発電は有効な対策として期待されています。太陽光発電は、太陽の光エネルギーを電気に変換するため、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出しません。このため、環境への負荷を低減し、持続可能な社会の実現に貢献することができます。また、太陽光発電は、災害時にも頼りになるエネルギー源となります。地震や台風などの自然災害により、電力会社からの電力供給がストップしてしまうことがあります。そのような緊急時でも、太陽光発電システムがあれば、自宅で発電した電気を使うことができるため、電気が途絶える不安を軽減することができます。近年、日本は地震や台風などの自然災害が増加傾向にあり、停電への備えはますます重要となっています。太陽光発電システムがあれば、電気が使えない状況下でも、照明や冷蔵庫、携帯電話の充電など、最低限の電力を確保することが可能になります。さらに、蓄電池と組み合わせることで、より多くの電気を貯めておくことができ、夜間や雨天時でも電気を安定して使うことができるようになります。太陽光発電は、地球環境に優しく、災害時にも安心できるエネルギー源として、今後ますます注目されていくでしょう。