リニアックナイフ

放射線について

進化する放射線治療:リニアックナイフとは

- リニアックナイフの概要リニアックナイフは、放射線をピンポイントで照射することで、脳腫瘍などの病変を治療する最新の放射線治療装置です。従来の放射線治療では、正常な細胞にもダメージが及ぶ可能性がありましたが、リニアックナイフは周囲の組織への影響を最小限に抑えながら、病変だけに集中して高い線量の放射線を照射することができます。リニアックナイフは、ガンマナイフと呼ばれる同様の治療装置と比較されることがあります。どちらも頭部に集中的に放射線を照射する点では共通していますが、使用する放射線の種類が異なります。ガンマナイフはコバルト60という放射性同位元素から発生するガンマ線を照射するのに対し、リニアックナイフは「リニアック」と呼ばれる装置で生成されたX線を使用します。リニアックで生成されたX線は、ガンマ線よりもエネルギー強度を細かく調整できるため、患部の形状や大きさに合わせて最適な照射を行うことができます。また、リニアックナイフは照射する放射線の線量率が高いため、治療時間を短縮できるという利点もあります。従来の外科手術と比べて、リニアックナイフによる治療は、頭蓋を開く必要がなく、身体への負担が少ないという大きなメリットがあります。そのため、高齢者や体力的に手術が難しい患者さんにとっても、有効な治療選択肢の一つとなっています。