リモートセンシング

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地球を見守る目: 地球資源衛星1号

1992年、雄大な宇宙へ飛び立った人工衛星がありました。「ふよう1号」と親しみを込めて呼ばれたその衛星は、地球全体をくまなく観察し、私たちにとって貴重な資源を探すための情報を集めるという重要な役割を担っていました。 「ふよう1号」は、地球資源衛星1号という名の通り、地球上の様々な資源を探すことを得意としていました。地下に眠る資源の探索に役立つ情報を集め、資源開発の効率化に貢献しました。 さらに、「ふよう1号」の活躍は資源探査だけにとどまりませんでした。その鋭い目は、陸地の変化を見つめ、農作物の生育状況や森林の分布を明らかにしました。また、海の変化を捉え、漁業資源の管理や海洋汚染の監視にも力を発揮しました。 「ふよう1号」がもたらした情報は、私たちの生活に欠かせない食料の安定供給や、地球環境の保全、そして災害への対策など、幅広い分野で役立てられました。まるで宇宙から地球を見守る優しい目を持った「ふよう1号」は、様々な情報を私たちに届けてくれたのです。
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地球を見守る国際協力: 地球観測衛星委員会の役割

私たちが暮らす地球は、温暖化による気候変動や、地震や豪雨などの自然災害、そして水資源や鉱物資源の枯渇など、様々な問題に直面しています。これらの問題を解決し、地球に住み続けることができる社会を実現するためには、地球全体を大きく見渡して、何がどのように変化しているかを正確に掴むことがとても大切です。 そこで重要な役割を果たすのが、人工衛星を使った地球観測です。地上から観測するのと違い、宇宙から地球を観測することで、国境線に関係なく地球全体をくまなく見渡せるだけでなく、長い期間にわたって変化を記録していくことができます。 人工衛星には、目に見える光だけでなく、人間の目には見えない光を捉えるセンサーが搭載されています。これらのセンサーを使うことで、雲の下の地表面の様子や、海面温度、植物の活性度、大気中の成分濃度など、様々な情報を取得することができます。これらの情報は、地球規模で起きている現象を理解するだけでなく、地震や火山の噴火などの災害予測、農作物の収穫量の予測、水資源の管理など、私たちの生活に役立つ様々な分野に活用されています。
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衛星から緑を見よう:正規化植生指数の紹介

私達の目に映る植物の葉は、ほとんどが緑色をしています。これは、植物の葉緑体が太陽光に含まれる光のうち、緑色の光を反射し、それ以外の色の光を吸収して光合成を行っているためです。 しかし、植物が反射している光は緑色の光だけではありません。植物は、人間の目には見えない近赤外線の光も、緑色の光と同じように強く反射しているのです。 この性質を利用して、植物の分布や生育状況を宇宙から調べる技術があります。それが正規化植生指数(NDVI)と呼ばれるものです。 NDVIは、人工衛星から観測した、植物が反射する光の強さを元に算出されます。具体的には、近赤外線の反射光の強さから可視光の反射光の強さを差し引き、それを近赤外線と可視光の反射光の強さの和で割ることで求められます。 NDVIの値は、植物の量や活動状況と相関関係があります。例えば、植物が生い茂っている場所ではNDVIの値は高くなり、逆に、植物が少ない場所ではNDVIの値は低くなります。また、植物が健康な状態であるほどNDVIの値は高くなり、逆に、植物が病気や乾燥などのストレスを受けている場合はNDVIの値は低くなります。 このように、NDVIは植物の分布や生育状況を把握するための有効な指標として、農業や環境分野など、様々な分野で活用されています。
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リモートセンシングが解き明かす!緑の生命力:NDVI

広大な大地に広がる緑、植物たちの力強い息吹。 その生命力は、地球上のあらゆる生物にとって欠かせないものです。 しかし、目に見えない植物の活動、その活力を数値化し、把握することは容易ではありません。 そこで活躍するのが、人工衛星や航空機を用いたリモートセンシング技術と、そこから得られるデータから算出される正規化差分植生指数(NDVI)です。 リモートセンシング技術は、植物が反射する光、特に赤色光と近赤外線の反射率の違いを利用して、植物の活性度を測定します。 植物は光合成を行う際に、太陽光から得たエネルギーの一部を赤色光として反射しますが、近赤外線はよく反射します。 NDVIは、この赤色光と近赤外線の反射率の差を計算することで求められ、その値は-1から1までの範囲で表されます。 NDVIの値が高いほど、植物の光合成活動が活発である、つまり植物がより多くの二酸化炭素を吸収し、酸素を放出していることを示しています。 逆に、NDVIの値が低い場合は、植物の活動が弱っている可能性があります。 このように、NDVIは植物の目に見えない息吹を数値化し、私たちに教えてくれるのです。 広大な森林から農作物の生育状況まで、NDVIは地球全体の植物の健康状態を監視するために活用されています。
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リモートセンシングと植生指標:植物の健康状態を宇宙から見る

- 植物の元気度を示す指標植生指標とは? 農業や環境を守る上で、植物がどれくらい元気に育っているかを知ることはとても大切です。 広い範囲の植物の状態を効率的に調べる方法として、人工衛星や飛行機を使ったリモートセンシングという技術が注目されています。リモートセンシングとは、対象物から反射や放射される電磁波をセンサーで観測し、そのデータから地上の様子を分析する技術です。 植生指標とは、このリモートセンシングのデータから、植物の有無、量、活性度などを数値化して表す指標のことです。植物は、光合成に使う光を吸収し、必要のない光は反射するという性質を持っています。植生指標は主に、植物の光合成の活動と深く関わる特定の色の光における反射率の差を利用して計算されます。 植生指標には、NDVI (正規化植生指標) やEVI (強化植生指標) など、様々な種類があります。これらの指標は、植物の生育状況や健康状態を把握するだけでなく、干ばつや森林伐採などの環境変化を監視するのにも役立ちます。近年、地球規模での環境問題への関心の高まりを受け、リモートセンシングと植生指標を組み合わせた技術は、ますます重要な役割を担っていくと期待されています。