
レム:過去に使われていた放射線の影響を表す単位
- レムとはレム(rem)は、過去に放射線が生物に及ぼす影響を評価するために用いられていた単位です。放射線は、その種類によって生物への影響が異なります。同じエネルギー量であっても、アルファ線はガンマ線よりも人体へ与える影響が大きいことが知られています。これは、放射線の種類によって、物質との相互作用の仕方が異なるためです。 そこで、放射線が人体に与える影響度合いを、種類別に補正して評価するために、レムという単位が導入されました。
レムは、X線やガンマ線を基準とした相対的な値で表されます。具体的には、X線やガンマ線1ラドの吸収線量が人体に与える影響を1レムと定義し、他の種類の放射線については、その生物学的効果比(RBE)を考慮してレムの値が決められていました。例えば、アルファ線のRBEは20であるため、1ラドのアルファ線は20レムとなります。
しかし、現在では、レムはシーベルト(Sv)という単位に置き換えられています。1シーベルトは100レムに相当します。 シーベルトは、レムと同様に放射線の種類による生物学的効果の違いを考慮した線量当量であり、より国際的に統一された単位として用いられています。