ロボット

原子力の安全

原子力発電を支える縁の下の力持ち マニピュレーター

- マニピュレーターとは人が直接立ち入ることが危険な環境下で、離れた場所から安全に作業を行うために開発されたのがマニピュレーターです。工場などで稼働している産業用ロボットアームを想像すると理解しやすいでしょう。基本的な構造は同じですが、原子力発電所のマニピュレーターは、高い放射線量が存在する環境でも問題なく動作するように設計されている点が大きく異なります。 原子力発電所では、燃料の交換や保守点検など、様々な作業工程において放射性物質の取り扱いが必要となります。これらの作業は、人が直接行うには非常に危険を伴うため、マニピュレーターが重要な役割を担っています。マニピュレーターは、人間の手のように器用で繊細な動きを再現することができ、遠隔操作によって放射性物質の移動や機器の操作を正確に行うことができます。 原子力発電所の安全性を確保し、作業員の安全を守る上で、マニピュレーターは必要不可欠な技術と言えるでしょう。
原子力の安全

原子力災害の切り分け役、レスキューロボット

人が立ち入ることが難しい危険な場所において、人の代わりとなって活動するロボットをレスキューロボットと呼びます。原子力災害においても、人が立ち入るには危険な原子力災害の現場で、私たちの代わりに情報収集活動などを行うレスキューロボットは大変重要な役割を担います。遠隔情報収集ロボット(RESQRemote Surveillance Squad)と呼ばれるこれらのロボットは、原子力災害の最前線に立つ、言わば救助隊の先鋒です。 RESQは、人間のように階段を上り下りしたり、扉を開け閉めしたりすることはもちろん、マニピュレーターと呼ばれるロボットアームを器用することで、バルブの操作やサンプル採取など、非常に細かい作業を行うことも可能です。そして、事故現場の状況を把握するために必要な放射線量や温度、現場の様子を映した映像や音などの情報を収集し、それらの情報をリアルタイムで外部にいる作業員に伝達することで、二次災害を防ぎ、迅速な事故収束を支援します。このように、レスキューロボットは、原子力災害において、人の安全を確保し、被害を最小限に抑えるために欠かせない存在と言えるでしょう。