ローソン条件

原子力発電の基礎知識

核融合発電の実現に向けた挑戦:ローソン条件とは

世界中でエネルギー需要が高まる中、未来のエネルギー源として期待されているのが核融合エネルギーです。核融合とは、太陽が光や熱を生み出す原理と同じように、軽い原子核同士を融合させて膨大なエネルギーを取り出す技術です。核融合反応では、従来の原子力発電のように重いウラン原子核を分裂させる核分裂反応と比べて、はるかに大きなエネルギーを取り出すことができます。また、核融合反応では、高レベル放射性廃棄物がほとんど発生しないため、環境への負荷が小さいという利点もあります。 しかし、太陽の中心部で起きている核融合反応を地上で再現するには、非常に高度な技術が必要です。太陽の中心部は、1億度を超える超高温と、地球の大気圧の2500億倍という超高圧の状態にあります。このような極限状態を地上で人工的に作り出すことは容易ではありません。 地上で核融合反応を持続的に起こすためには、原子核同士が高速で衝突し続ける状態を維持する必要があります。そのためには、超高温でプラズマ状態になった燃料を、強力な磁場によって閉じ込める必要があります。現在、国際協力によって、フランスに国際熱核融合実験炉(ITER)が建設中です。ITERは、核融合エネルギーの実用化に向けて、核融合反応の制御と持続的なエネルギー発生の実証を目指しています。
その他

夢のエネルギー:臨界プラズマ

人類は長年、太陽の輝きにも似た無限のエネルギーを夢見てきました。その夢を叶える鍵として期待されているのが核融合エネルギーです。太陽の内部では、水素原子核同士が融合してヘリウムになる核融合反応によって莫大なエネルギーが生まれています。この反応を地上で人工的に再現できれば、理論上は枯渇の心配がないエネルギー源を手に入れることができます。 しかし、核融合エネルギーの実現は容易ではありません。太陽の中心部は1億度を超える超高温・超高圧の状態です。このような環境下ではじめて、水素原子核は互いに反発しあう力を乗り越えて融合することができるのです。地上で核融合反応を起こすためには、太陽の中心部に匹敵する超高温・高密度状態を人工的に作り出す必要があります。これは非常に高度な技術であり、多くの課題が残されています。そのため、核融合エネルギーの実現は長年「夢のエネルギー」と表現されてきました。しかし、現在では技術の進歩により、核融合エネルギーは夢物語ではなく、実現可能な未来のエネルギー源として期待されています。