一次系一体型炉

原子力施設

次世代原子炉:IRISとは

- IRISの概要IRIS(国際革新型安全炉)は、出力規模100~300メガワット級のモジュール型軽水炉として設計された原子炉です。従来の大型原子炉とは異なる建設方法を採用しており、工場であらかじめ主要機器を組み立てたモジュールを建設現場に輸送し、設置します。この方式により、建設期間の短縮とコスト削減を目指しています。まるでレゴブロックのように原子炉を組み立てるようなイメージです。従来の原子炉は、建設現場で多くの作業員が長い期間をかけて建設する必要がありました。一方、IRISは工場でモジュールを効率的に生産し、現場ではその組み立てに集中するため、工期の短縮と人件費の削減が期待できます。また、工場での品質管理が徹底されることで、安全性と信頼性の向上も見込まれます。IRISは、安全性にも配慮した設計がなされています。例えば、受動的安全システムと呼ばれる、電源や人的操作に頼らずに原子炉を安全に停止させるシステムが組み込まれています。これは、万が一の事故時でも、原子炉を安全な状態に保つための重要な機能です。IRISは、モジュール型という特徴を生かして、電力需要の変化に柔軟に対応できるというメリットもあります。将来的に電力需要が増加した場合には、モジュールを追加することで容易に出力増加に対応できます。このように、IRISは、安全性、経済性、柔軟性を兼ね備えた次世代の原子炉として期待されています。