原子炉の安全を守る!プラッギング計の役割
- プラッギング計とは?プラッギング計は、高速増殖炉のような原子炉で使用される液体金属の純度を測定する装置です。原子炉では、核分裂反応によって生じる莫大な熱を取り除くために冷却材が循環しています。特に高速増殖炉では、熱伝導率と中性子吸収特性に優れた液体金属ナトリウムが冷却材として広く利用されています。しかし、このナトリウムには、微量ながらも不純物が含まれています。これらの不純物は、原子炉の運転に伴って増加し、配管や機器の腐食を引き起こしたり、熱伝達効率を低下させたりする可能性があります。そのため、ナトリウム中の不純物の量を正確に把握することは、原子炉を安全かつ安定的に運転するために非常に重要です。プラッギング計は、この重要な役割を担う装置の一つです。この装置は、ナトリウムを冷却しながら細いオリフィスを通過させることで、不純物の量を測定します。ナトリウム中の不純物は、温度が低下するとオリフィス部分で結晶化し始め、オリフィスを閉塞させます。この時の温度を測定することで、不純物の濃度を推定することができます。プラッギング計は、その測定原理から、ナトリウム中の不純物の濃度を連続的に監視することができ、異常を早期に検知することが可能です。高速増殖炉のような高度な技術を用いた原子炉において、プラッギング計は、安全運転を支える重要な技術の一つと言えるでしょう。