中性微子

放射線について

原子炉とニュートリノ

- 原子核の秘密 原子力発電は、ウランなどの原子核が核分裂する際に放出される莫大なエネルギーを利用しています。原子核は、物質を構成する原子の中心に位置し、プラスの電気を帯びた陽子と電気を帯びていない中性子から成り立っています。原子核は非常に小さく、原子の大きさを野球場に例えると、原子核は米粒ほどの大きさに過ぎません。しかし、この小さな原子核の中に、想像を絶するほどのエネルギーが秘められているのです。 原子核の中では、陽子と中性子が核力と呼ばれる力で強く結びついています。核力は、プラスの電気を帯びた陽子同士が反発し合う力を上回るほど非常に強い力です。原子核の中には、この核力によって結び付けられた陽子と中性子が、まるで踊るように複雑な運動を繰り返しています。 さらに、原子核の中では、中性子が陽子に変わる現象も起こります。これはβ崩壊と呼ばれる現象で、この時、原子核は電子を放出します。同時に、目には見えない不思議な粒子も放出されます。それがニュートリノです。ニュートリノは、他の物質とほとんど反応しないため、観測が非常に難しい粒子ですが、原子核の秘密を解き明かす上で重要な鍵を握っています。 このように、原子核は非常に小さく、目には見えませんが、そこでは想像を絶する現象が起こっています。原子力発電は、この原子核の持つ莫大なエネルギーを利用したものと言えるでしょう。