二酸化炭素排出量

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気候変動プログラムレビュー:英国の取り組み

- 気候変動プログラムレビューとは気候変動プログラムレビュー(CCPR)は、イギリス政府が推進するエネルギーレビューの重要な柱の一つです。地球温暖化の経済的影響を分析したスターンレビューと同様に、CCPRはイギリスの気候変動対策を評価する上で重要な役割を担っています。CCPRは、2000年11月に発表されたイギリスの気候変動プログラムの進捗状況を詳細に検証し、国際的な条約である京都議定書の目標達成度を評価します。特に、2010年までに二酸化炭素排出量を1990年レベルから20%削減するという国内目標の達成に向けた政策や取り組みについて、その有効性を評価することに重点が置かれています。具体的には、CCPRはエネルギー効率の改善、再生可能エネルギーの導入、運輸部門の排出量削減、家庭や企業における省エネルギー対策など、様々な分野における政策や取り組みの効果を分析します。そして、その分析結果に基づいて、政府に対して政策の改善や新たな取り組みの導入を提言します。CCPRは、イギリスが気候変動対策を効果的に進め、国際的な責任を果たす上で欠かせない役割を担っています。その分析結果や提言は、政府の政策決定に大きな影響を与え、イギリス社会全体の低炭素化を推進する力となります。
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エネルギーの今を映す鏡:総合エネルギー統計

エネルギーは、目には見えませんが、私たちの生活を支える大切なものです。毎日の暮らしの中で電気を使ったり、乗り物に乗ったりする時、私たちはエネルギーの恩恵を受けています。では、こうしたエネルギーはどのようにして私たちのもとに届いているのでしょうか? 総合エネルギー統計は、エネルギーが姿を変えながら、どのように社会に行き渡るのかを明らかにする統計です。その流れは、まるで複雑に張り巡らされたパイプラインのようです。まず、石炭、原油、天然ガスなどの資源が、国内で産出されたり、海外から輸入されたりします。そして、発電所では、これらの資源を燃焼させて電気エネルギーに変換します。さらに、電気は送電線を通って私たちの家庭や工場に届けられます。 エネルギーは、電気という形だけでなく、様々な形で利用されています。例えば、工場では、原料を加工したり、製品を製造したりするために、電気エネルギーや熱エネルギーが欠かせません。また、私たちが毎日利用する車や電車などの輸送機関も、燃料を燃焼させてエネルギーを生み出すことで動いています。 このように、総合エネルギー統計は、エネルギー資源の採取から、私たちが最終的に消費するまでの流れを、全体像として描き出すことができる重要な統計なのです。
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エネルギー起源二酸化炭素と地球温暖化

私たちが毎日使う電気や熱などのエネルギーは、その多くが石炭や石油、天然ガスといった化石燃料を燃やすことで作られています。これらの燃料は、太古の生物の遺骸が変化してできたもので、燃やすと二酸化炭素が発生します。これが「エネルギー起源二酸化炭素」と呼ばれるものです。 地球温暖化を引き起こす原因となる温室効果ガスには、いくつか種類がありますが、日本ではこのエネルギー起源二酸化炭素が最も多く排出されています。2002年度のデータでは、なんと全体の88%を占めています。これは、私たちの日常生活や経済活動が、地球温暖化と密接に関係していることを示しています。つまり、電気やガス、ガソリンなどをたくさん使う生活は、それだけ多くの二酸化炭素を排出していることになり、地球温暖化を加速させてしまうのです。 地球温暖化の影響を抑えるためには、エネルギー起源二酸化炭素の排出量を減らすことが重要です。そのためには、省エネルギーを心がけたり、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの利用を増やしていくなど、社会全体で取り組んでいく必要があります。
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英国のエネルギー政策における王立工学院の役割

- 王立工学院英国工学の最高峰王立工学院は、英国における工学分野の進歩と発展を牽引する、独立した名誉ある機関です。その歴史は、1976年に設立された工学フェローシップに遡ります。このフェローシップは、当時のエディンバラ公爵フィリップ殿下の提唱により、傑出したエンジニアたちの功績を称え、彼らの経験と知見を結集して国の発展に寄与することを目的としていました。その後、1992年に現在の王立工学院へと発展しました。これは、工学分野の重要性がますます高まる中、より広範な活動を通じて社会に貢献していく必要性からでした。王立工学院は、政府や産業界、学術界など、様々な組織と連携しながら、英国の工学分野の未来を形作る重要な役割を担っています。王立工学院の活動は多岐にわたります。政府に対しては、科学技術政策に関する助言や提言を行い、政策決定に貢献しています。また、産業界に対しては、技術革新や人材育成を支援し、競争力強化を後押ししています。さらに、一般の人々に対しては、講演会や出版活動などを通じて、工学の重要性や魅力を広く発信しています。王立工学院は、常に変化を続ける工学分野の最先端を捉え、社会のニーズに応えるべく、活動を進化させています。 その使命は、英国における工学の卓越性を促進し、社会に貢献することです。
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日本のCO2排出抑制目標:歴史と展望

日本の二酸化炭素排出量削減に向けた取り組みは、1990年10月に策定された「地球温暖化防止行動計画」から始まりました。地球温暖化問題が深刻化する中、その原因となる温室効果ガスの排出を抑制するために、日本として初めて具体的な行動計画を打ち出したのです。この計画は、経済成長と環境保全の両立を目指し、当時の日本の社会経済状況を考慮して策定されました。具体的な目標として、2000年以降も国民一人当たりの二酸化炭素排出量を1990年の水準に維持することを掲げました。これは、経済成長を続けながらも、省エネルギー技術の導入やライフスタイルの見直しなどを通じて、二酸化炭素の排出量増加を抑えようという意欲的な目標でした。この計画は、その後の日本の地球温暖化対策の基礎となり、今日まで続く様々な取り組みの出発点となりました。