光合成

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光化学反応:光のエネルギーが織りなす化学の世界

- 光化学反応とは光化学反応とは、物質が光を吸収することによって引き起こされる化学反応のことです。光は私たちにとって、物を照らし、色を認識することを可能にするものですが、それだけではありません。光はエネルギーを持っているため、物質に照射されると、そのエネルギーを物質に与えることができます。物質はこの光エネルギーを受け取ることで、通常の状態よりもエネルギーの高い状態、つまり活性化状態になります。活性化状態になった物質は、熱エネルギーだけでは起こすことのできない化学変化を起こすことができます。 このような、光エネルギーを利用して起こる化学反応が光化学反応です。光化学反応の身近な例としては、植物が行う光合成が挙げられます。植物は、太陽光から光エネルギーを受け取り、そのエネルギーを使って水と二酸化炭素からデンプンや酸素を作り出しています。私たちが毎日食べているお米やパン、野菜なども、元をたどれば太陽の光エネルギーから作られたものと言えるでしょう。光合成以外にも、私たちの身の回りには、光化学反応を利用したものがたくさんあります。 写真撮影では、フィルムやデジタルカメラのセンサーに光が当たることで化学反応が起き、画像として記録されます。太陽電池は、光エネルギーを電気に変換する装置であり、ここでも光化学反応が重要な役割を担っています。 また、私たちがものを見ることができるのも、目の網膜で起こる光化学反応のおかげです。このように、光化学反応は私たちの生活に欠かせない様々な現象に関わっており、エネルギー問題や環境問題の解決にもつながる重要な分野として、現在も盛んに研究が進められています。
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光合成を担う細胞小器官:葉緑体

- 光合成の場 植物が緑色に見えるのは、細胞の中に葉緑体という小さな器官を持っているからです。葉緑体は、まるで太陽光発電所のように、太陽の光エネルギーを使って水と二酸化炭素から栄養分を作り出す、光合成を行う場所です。 葉緑体は二重の膜で包まれており、その内部には、光エネルギーを吸収するのに適した構造が広がっています。緑色の色素であるクロロフィルを含む扁平な袋状のチラコイドと、それを取り囲むストロマと呼ばれる空間からなります。 チラコイド膜には、クロロフィル以外にも様々な光合成色素が存在し、太陽光を効率よく吸収します。吸収された光エネルギーは、水分子を分解して酸素を発生させると同時に、化学エネルギーに変換されます。 一方、ストロマでは、二酸化炭素と、光エネルギーによって作られた化学エネルギーを用いて、デンプンなどの糖が合成されます。 こうして作られた糖は、植物の体を作り、生命活動のエネルギー源として利用されます。 葉緑体で行われる光合成は、地球上のほとんどの生物にとって、なくてはならないものです。私たちが呼吸する酸素は、光合成によって供給されています。また、光合成によって作られた有機物は、食物連鎖を通じて、動物を含む様々な生物の栄養源となっています。