光核反応

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光を当てて物質を調べる:光量子放射化分析

私たちが普段目にする物質は、すべて原子という小さな粒からできています。そして、その原子の中心には、さらに小さな原子核が存在します。原子核は陽子と中性子という粒子で構成されていますが、実は光を当てることで、その状態を変化させることができるのです。原子核に高エネルギーの光、すなわちガンマ線を照射すると、「光核反応」と呼ばれる現象が起こります。これは、ガンマ線の波長が原子核の大きさに近いために、光エネルギーが原子核に吸収されやすくなるために起こります。 光核反応では、原子核はガンマ線を吸収して励起状態へと遷移し、その後、再び安定な状態に戻ろうとして粒子やガンマ線を放出します。この過程で、原子核は元の状態とは異なる状態へと変化する可能性があります。 興味深いことに、特定のエネルギーのガンマ線を照射した際に、光核反応が特に起こりやすくなる現象が見られます。これは「巨大共鳴」と呼ばれる現象で、原子核の種類によって、共鳴が起こるエネルギーが異なります。巨大共鳴は、原子核の集団運動と深く関連しており、原子核の構造や性質を調べるための重要な手がかりとなっています。
放射線について

光が原子核を変える?光核反応の仕組み

- 光核反応とは光核反応とは、高いエネルギーを持った光、つまりガンマ線が原子核に衝突することで起こる反応のことです。普段私たちが目にしている光は、物質に当たってもせいぜい温める程度の作用しか持ちません。しかし、ガンマ線のように非常に高いエネルギーを持った光の場合、物質の構成要素である原子そのものを変化させるほどの力を持つのです。原子は、中心にある原子核とその周りを回る電子によって構成されています。原子核はさらに小さな陽子と中性子という粒子で構成されていますが、ガンマ線が原子核にぶつかると、そのエネルギーが原子核に吸収され、内部の陽子や中性子がバラバラになろうとするのです。これが光核反応です。この反応は、太陽のような恒星の内部で起こっている核融合反応とは異なり、光によって引き起こされる原子核の崩壊現象と言えます。光核反応は、原子力や素粒子の研究、医療分野における放射線治療、さらには新たなエネルギー源の開発など、様々な分野で応用が期待されています。