全身被ばく線量:被ばくの影響を評価する指標
- 全身被ばく線量とは「全身被ばく線量」とは、身体の全体に均一に放射線が当たった場合に、どれだけの量の放射線を浴びたかを示す言葉です。 一方で、身体の一部だけに放射線が当たった場合は「部分被ばく線量」と呼び、これと区別されます。原子力発電所などの施設では、放射線が空間にある程度均一に存在しています。このような環境で作業を行う場合、作業員の受ける被ばくは、身体の全体に均一に放射線が当たっているとみなされ、全身被ばくとして扱われます。作業員は、日頃から身を守るためや、被ばく線量を管理するために、フィルムバッジなどの個人線量計を身につけています。この個人線量計で計測される値は、通常、全身被ばく線量を表しています。全身被ばく線量は、人体への影響を評価する上で重要な指標となります。 国際機関や各国は、放射線作業従事者や一般公衆に対して、年間や生涯で許容される全身被ばく線量の限度を定めており、安全確保に役立てられています。