分散分析

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データ分析の基本:ANOVA検定とは

皆さんは、複数のグループを比較する際に、それぞれのグループ間に本当に意味のある差があるのか、それともただの偶然のばらつきなのか、迷った経験はありませんか? 例えば、新しい薬の効果を確かめる試験を想像してみてください。この試験では、新しい薬を実際に服用するグループ、効果がない偽物の薬を服用するグループ、そして何も服用しないグループの3つのグループに分けて、それぞれの効果を比較します。それぞれのグループで得られた結果に差が見られたとしても、それが本当に薬の効果によるものなのか、偶然によるものなのかを判断するのは難しい場合があります。このような時に役立つのがANOVA検定と呼ばれる統計的な方法です。 ANOVA検定は、3つ以上のグループの平均値を比較し、グループ間に有意な差があるかどうかを調べることができます。先ほどの薬の効果検証試験の例で言えば、ANOVA検定を用いることで、新しい薬の効果が偽物の薬や何も服用しない場合と比べて本当に異なるのかどうかを統計的に判断することができます。 ANOVA検定は、医療分野だけでなく、工学、農業、経済学など、幅広い分野で活用されています。新しい製造方法が製品の品質に与える影響を評価する場合や、異なる広告戦略が商品の売り上げに与える影響を比較する場合など、複数のグループの平均値を比較する必要がある際には、ANOVA検定が強力なツールとなります。