分析機器

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材料のミクロの世界を探る:X線マイクロアナライザー

- X線マイクロアナライザーとは X線マイクロアナライザーは、物質に電子線を当てることで発生するX線を細かく調べる装置です。 物質に電子線を当てると、物質を構成する原子が特有のエネルギーを持ったX線を放出します。このX線を捉え、そのエネルギーや量を分析することで、物質に含まれる元素の種類や量を特定することができます。 X線マイクロアナライザーの最大の特徴は、非常に小さな範囲を分析できることです。「マイクロ」という言葉が示すように、分析可能な領域は数マイクロメートル、つまり髪の毛の太さの100分の1程度まで絞り込むことができます。 さらに、電子顕微鏡と組み合わせることで、観察している試料の特定の場所の元素分析を行うことも可能です。 このように、微小な領域の元素分析が可能なことから、X線マイクロアナライザーは様々な分野で利用されています。 例えば、材料科学の分野では、新材料の開発や、材料の強度や耐久性を左右する微細構造の解析に役立っています。 また、電子工学の分野では、半導体や電子部品の材料分析や欠陥解析に利用されています。 その他にも、生物学の分野では、細胞内の微量元素の分布を調べたり、地質学の分野では、岩石や鉱物の組成を分析するなど、幅広い分野で活用されています。
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物質の指紋を読み解く:質量分析計

- 質量分析計物質の構成要素を見分ける質量分析計は、物質を構成する極微の粒子を分析し、その物質が何からできているのかを原子レベルで明らかにすることができる、言わば物質の指紋を読み取る装置です。私たちの身の回りに存在するあらゆる物質は、原子が様々な組み合わせで結びついてできています。そして、物質の種類によって、それを構成する原子の種類やその組み合わせ、さらにその比率は異なります。このため、物質を構成する原子や分子の重さの違いを細かく調べることで、その物質が何からできているのかを特定することができるのです。質量分析計はこのような考え方に基づいて作られています。まず、分析したい物質を気体状態にします。次に、気体となった原子や分子に電気を帯びさせます。電気を帯びた粒子は、磁場の中を通ると、その重さによって進む道筋が変わります。この道筋の違いを検出することで、物質中にどんな種類の原子がどれくらいの割合で含まれているかを調べることができるのです。質量分析計は、化学、生物学、医学、環境科学など、様々な分野で利用されています。例えば、新薬の開発や病気の診断、食品の安全性評価、環境汚染物質の分析など、幅広い分野で物質の分析に役立っています。
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材料のミクロの世界を探る:エックス線マイクロアナライザー

- エックス線マイクロアナライザーとは エックス線マイクロアナライザーは、物質を構成する元素の種類や量を、非常に小さな領域で詳しく調べることができる装置です。顕微鏡のように対象を拡大して観察する機能と、物質に含まれる元素を分析する機能を組み合わせることで、ミクロン(1ミリメートルの千分の一)レベルの微細な世界を探ることができます。 この装置では、まず分析したい試料に電子線を照射します。すると、試料に含まれる原子が刺激を受けて、それぞれが持つ固有のエネルギーを持ったエックス線を放出します。この現象は、例えるなら、それぞれの元素が持つ「指紋」のようなもので、このエックス線を詳しく分析することで、試料にどんな元素がどれくらい含まれているのかを特定することができます。 エックス線マイクロアナライザーは、金属やセラミックス、半導体、鉱物など、様々な分野の材料研究や品質管理に活用されています。例えば、新しい材料の開発や、製品の欠陥の原因究明などに役立っています。
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蛍光光度計: 物質の光る性質で分析

物質に光を当てると、その光は物質に吸収されたり、反射したり、あるいはそのまま通り抜けたりします。光を吸収した物質は、そのエネルギーによって様々な振る舞いを見せます。熱を帯びたり、化学変化を起こしたりする物質もあれば、再び光を放出して元の状態に戻る物質もあります。このように、物質が光を吸収し、再び光を放出する現象をまとめて発光現象と呼びます。 発光現象は、放出されるまでの時間の長さによって、蛍光と燐光に区別されます。 蛍光は、物質が光を吸収してから、再び光を放出するまでが非常に短い発光現象です。具体的には、ナノ秒からマイクロ秒という、1秒の100万分の1から100万分の1秒というごく短い時間で発光します。蛍光灯や蓄光シールなどに利用されています。 一方、燐光は、蛍光に比べて発光するまでの時間が長い発光現象です。具体的には、ミリ秒から数時間、あるいはそれ以上という長い時間、発光し続けます。夜光塗料や時計の文字盤などに利用されています。 このように、物質の発光現象は、私達の身の回りで様々に利用されています。