原子力と微生物:原核生物
- 原核生物とは地球上のありとあらゆる場所に、目には見えない小さな生物が存在しています。それを微生物と呼び、顕微鏡を使って初めてその姿を見ることができます。微生物の中でも、特にシンプルな構造を持つのが原核生物です。原核生物の最大の特徴は、細胞内に核を持たないことです。私たち人間を含めた動物や植物の細胞には、遺伝情報であるDNAを収納した核が存在します。しかし原核生物は、この核を持ちません。では、原核生物のDNAはどこにあるのでしょうか? 実は、細胞内の細胞質と呼ばれる液体成分の中に、直接DNAが漂っているのです。原核生物には、私たちの身近にも存在する細菌や、光合成を行う藍藻(らんそう)などが含まれます。例えば、食中毒の原因となる大腸菌や、発酵食品に利用される納豆菌などは、原核生物である細菌の仲間です。また、藍藻は水中で光合成を行い、酸素を作り出す役割を担っています。このように、原核生物は地球上で物質を循環させるために非常に重要な役割を担っています。また、私たちの生活に役立つものもあれば、病気の原因となるものもあるなど、私たちの生活とも密接に関わっていると言えるでしょう。